第33期中国天元戦準々決勝

20代の棋士が準決勝進出

1月7日に中国棋院で「第33期中国天元戦」の準々決勝が行われた。
本棋戦は連笑天元への挑戦権をかけて48名の棋士がトーナメント線で競う方式だ。
なお、持時間は2時間+秒読み1分5回の中国ルール(コミ6目半)で行われた。
以下に本日の結果をまとめたので参照ください。(左側が勝者)

【1月7日(月):準々決勝の結果】
芈昱廷九段―李欽誠九段
范蘊若六段―陳耀燁九段
童夢成六段―范廷鈺九段
楊鼎新七段―范胤七段

【1月9日(水):準決勝の組合せ】
芈昱廷九段(22)―范蘊若六段(22)
童夢成六段(22)―楊鼎新七段(20)

中国では10代、20代で活躍する棋士が多く、各国でも屈指の層の厚さと言える。
また、囲碁AI「絶芸」を自由に使えるのも、高いレベルの保持に繋がっているようだ。
これから中国棋士がどんな活躍を見せるのか、注目していきたい。
さて、対局を振り返っていきます。


【実戦譜:三々定石の最新形】
黒番は范廷鈺九段、白番は童夢成六段です。
現代では、白1に黒2、4と受けるのが代表的な戦術となりました。
白5のツケは黒に手抜きされないように右上隅を補強する意図があります。
仮に黒Aと素直に受けるのは、白B以下符号順と稼がれるため強い応手が求められます。


黒6と強く応じて、右上隅の白に圧力をかけたいところ。
当然、白7から11と切られるため、難解な定石へもつれ込みます。
三々定石は難解な変化に行かざるを得なくなる場合もあり、研究が必要です。


右上の黒二子が味良く飲まれたのは大きいため、黒12と活力を持たせたい。
白13に黒14、16と受けて、白Aの切りを強引に防ぐのが最新形の一つです。
白17まで、右上の死活や外側の薄みが入り乱れる難しい変化に突入します。


黒18から24を決めた後、黒26と手数を伸ばして右下の攻め合いに備えるまでは一本道。
この先の変化は無数あるが、最近は右上の白を強引に取りにいく手段を見るようです。


白29の切りを入れた瞬間、黒30とツケて右上の手順を伸ばすのが最近打たれ始めた変化。
黒の手数が伸びる反面、Aの傷残りで外側がボロボロになる欠点を有しています。


白31と分断しても、手数が伸びているので黒32と眼を奪えば右上の白は取れています。
(攻め合いは黒A、白B、黒C、白Dが決まる形で、白はダメを詰めづらいのが肝)
ただし、白33から35と外を厚くされる上に、多くの利きがあり白に厚い形を許します。
優劣の判断が難しいですが、右辺の黒に対しても利きがあるので個人的には白持ちです。
結果、白中押し勝ち。


【参考図:簡明なセキ】

白1に黒2と穏やかに受けるなら、白3と外側を守る進行になります。
当然、黒4と急所を突かれて攻め合いに突入しますが・・・。


白5と懐を広げて自身の手数を伸ばすところ。
黒6、8とダメを詰められても、白9から13が好手順でセキに持ち込めます。


白15、17と先手でセキにした後、白19以下で外周りを厚くする手順に回れます。
互いに厚みを得るワカレになりますが、利きがある形なので優劣の判断が難しい。
(黒に対してはAやBの味があり、白にはCの利きが生じています)

「編集後記」
三々定石は難解な変化に進む場合もあり、部分的に深く研究する必要があります。
また、周囲の状況次第では簡明な定石で悪く場合もあり、扱うのが難しい戦術です。

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