三々入りの簡明策

「三々入り」は現代を代表する立派な戦術となっており、一度は出くわす戦型です。
ただ、黒番でいきなり三々入りする実戦例は減少傾向で工夫が求められているようです。
今回は5手目三々入りの簡明策を紹介し、わかりやすくかわすコツを紹介します。


【テーマ図:三々入りへの対策】
何も工夫せずに、黒5と三々入りする実戦例が減っています。
三々入りの研究が進んだこともあり、黒番は三々入りする前の事前準備が求められています。
今回は黒の意図を外しながら、序盤を乗り切る白番の簡明策を紹介します。


白6、8と傷を残さないように受けるのが簡明策です。
A~Cの受け方が想定されますが、何れの変化も白は複雑な変化を避けて打ち進められます。


黒9と受けるなら、白10から14と大場に走って足早に展開していきます。
左下の白は傷がない格好なので、黒から厳しく寄り付かれづらいのが白の自慢です。


黒15から19と形を決めてから黒21と走るなら、白22と上辺に白陣を築いていきます。
見た目は白が甘いように見えますが、複雑な変化を避けながら簡明に打ち進められます。


黒23には白24から30と厚みを築いた後、白32と上辺を固めるのが簡明策。
Aなど右上の黒に迫る狙いや、Bと左辺に白陣を築く構想を描くことができます。
選択肢の幅が広い上、左下の白が急に攻められる心配がないため、若干白打ちやすいです。



【参考図1:柔軟に打ち回す】
黒2に白Aと受けると傷が残りやすいため、白3とかわすのがオススメです。
黒が手抜きすると白Aが厳しいので、黒も左下に手を戻すところです。


黒4、6と左下を補強するのが無難です。
ここで、白7と黒8を交換した後に白9と大場に走るのが白の意図する進行です。
一見すると、黒Aの好点を残した借金が大きく見えますが・・・。


白の手抜きを咎めるため、黒14から16と手番を奪って18に先着する進行が考えられます。
Aの傷が気になりますが、構わずに白19とさらに要所を占めていくのが好判断です。


黒20には白21とかわすのが柔軟な対応です。
黒22と好形を築かれても、白23から25と右上の黒にプレッシャーをかければ白十分。
下辺の黒模様拡大を牽制しながら、上辺に白模様を築く構想を描けるのが大きいです。



【参考図2:分厚い構想】
黒2には白3と押すのがよくある対応策。
黒4の受けで左下の黒を固めたように見えますが、黒の形の不備を突く常套手段があります。


白4、6の切りを入れた後、白8のハナヅケが手筋です。
続いて、黒Aは白Bと引き出されて黒が切り離されてしまうので・・・。


黒9、11と受けざるを得ないところ。
手番を得た白は白12から16と大場に走れば、左下の形が分厚く白悪くない展開です。

「編集後記」
5手目三々入りに対する代表的な3つの進行例を示しました。
何れの進行も白のスピードが優るので、黒は少し出遅れた序盤戦となります。
こうした進行を避けるため、黒は三々入りをする前に工夫を凝らすようになりました。

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