第23回三星火災杯世界囲碁マスターズー決勝三番勝負(3)

12月5日に韓国で「第23回三星火災杯世界囲碁マスターズ」の決勝三番勝負が行われた。
中国の柯潔九段が韓国の安國鉉八段に勝利し、2-1で2年ぶり3回目の優勝を果たした。
21歳で6つの世界タイトル獲得は世界最速記録であり、柯潔九段の驚異的な実力を証明した。さて、対局を振り返っていきます。


【実戦譜:三々入りの時代】
黒番が安國鉉八段、白番が柯潔九段です。
黒5の三々入りが現代の碁を象徴する手で、カカリを打つのが場合の手となりつつあります。
地を稼ぐ意図よりも、白に築かれた壁を攻める発想が有力だと見られているようです。
研究が進むにつれて、三々入りの実戦例がさらに増えることは間違いないでしょう。


白6、8は傷を残さずに手番を得たい意図があります。
左下の白に迫る進行を目指したいので、黒9とAの狙いを残す進行を選択します。
白12は相手の出方を見て先の打ち方を決める意図であり、黒として先手を取りたいところ。


黒13、15と先手を得てから、黒17と下辺を占めながらAの切りを睨んでいきます。
白Bなど素直に傷を守るようでは地に甘いので、白は工夫する必要があります。


白18、20と左下の黒に働きかけて整形を目指します。
黒21の切りを入れて黒23と守られた時、白Aのシチョウが成立せず白困ったように見えます。
しかし、柯潔九段は柔軟に対応して局面のリードを奪っていきます。


白24の様子見に黒25と抜いて白Aの利きを消していきます。
この瞬間、白26とケイマに外すのが好手で黒の打ち方が難しくなっています。
手抜きするのは、後に白Bなど守られて効率よく▲の動き出しを封じられてしまいます。
▲の切りが悪手となってはいけないため、黒は動いて行かざるを得ないところです。


黒27の動き出しに白28、30と三子を捨て石に外周を厚くします。
黒31と白32を交換して傷を強調しますが、AやBを守らず白34と大場に走ったのが好判断。
当然、黒は断点を突いていくことになりますが・・・。


黒35の切りに白36、38と捨てるのが素晴らしい構想でした。
▲があることにより下辺を広げる価値が低くなっている上、白Aが残るのが大きいです。
打たれてみれば当然に思えますが、実戦でこうした手順を選ぶのは勇気が入ります。
柯潔九段の柔軟な打ち回しが光り、6つ目の世界タイトルを獲得しました。
結果、白5目半勝ち。

「編集後記」
柯潔九段の柔軟な打ち回しを見ると、碁の打ち方はいろいろあると感じますね。
これを切欠に、来年はさらに飛躍していくかもしれません。

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