第23回三星火災杯世界囲碁マスターズー決勝三番勝負(2)

12月4日に韓国で「第23回三星火災杯世界囲碁マスターズ」の決勝三番勝負が行われた。
中国の柯潔九段が韓国の安國鉉八段に快勝して1勝1敗となり、最終局に持ち込んだ。
何れの勝星も白番で勝利しており、明日のニギリで白番を得られるかが大きいかもしれない。
さて、対局を振り返っていきます。


【実戦譜:流行形の対策】
黒番が安國鉉八段、白番が柯潔九段です。
黒1、3と三々入りするのは現代を代表する戦型の一つ。
アルファ碁の自己対戦でも多く記録されており、未だに流行しています。
ただ、有名である戦術なので、どれだけ深く研究しているかで差が生じる布石とも言えます。


白4、6は三々入りへの受け方として代表的なものとなっている。
石の方向が逆に思えますが、最近は模様を築きたい方向の逆を押さえるのが主流。
なお、黒9に手抜きすると、黒A以下符号順で地を稼がれながら左辺の模様を消されます。


白10、12と形を決めるのが三々定石で表れる手筋。
黒Aと受けるのは白Bで左辺と上辺の両方を止められるため、若干黒不満が残る進行です。


黒13と白の意図を崩しにいくのは当然の態度です。
白22まで、一本道の進行で形が決まった時に左辺の白陣が見た目以上に深いのが白の自慢。
左上の定石で二線まで白石がきているので、黒は左辺へ打ち込みづらくなっています。
もちろん、黒23と地に走られますが、定石後に柯潔九段は面白い手法を用意してました。


白24と外すのがこの定石でよく見られる後続手段です。
黒が手抜きするのは白Aなどと迫られるのが厳しいため、何れか受ける必要があります。
見た目は黒Bのハザマが気になりますが、白はそこに誘導して厚くするのが狙いです。


黒25と白の薄みを突いていきますが、白26と黒27を交換してから白28と切断に向かいます。
黒29が手筋で白の追及をうまくかわしたように見えますが・・・。


白30から34と外周を厚くするのが白の意図する進行です。
黒35と白三子を取って左上の黒は治まりますが、左上の厚みを背景に白36と迫っていきます。
左辺の白模様もより深くなっており、大きな白地が見込める土地になったのも大きいです。
序盤の作戦がうまく機能して、柯潔九段は1勝1敗に持ち込みました。
結果、白中押し勝ち。

「編集後記」
明日の決勝戦で柯潔九段が復調を見せられるのか、安國鉉八段が初優勝を飾れるのか、
お互いに大きな節目となる大一番に眼が離せないです。

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