第20回農心辛ラーメン杯世界囲碁最強戦第8戦

11月26日に韓国・釜山で「第20回農心辛ラーメン杯世界囲碁最強戦」の第8戦が行われた。
日本の一力遼八段が出場するも、中国の范廷鈺九段の勢いを止められず無念の敗退となった。
第2ラウンド最終戦は韓国の第一人者である朴廷桓九段が出場する予定だ。
現時点での戦況を以下にまとめたので参照ください。

【日本】井山裕太九段、一力遼八段、許家元八段、本木克弥八段、芝野虎丸七段(1勝)
【中国】柯潔九段、辜梓豪九段、時越九段、党毅飛九段、范廷鈺九段(7連勝)
【韓国】朴廷桓九段、李世乭九段、申旻埈九段、崔哲瀚九段、安國鉉八段

第18回の時と同様に范廷鈺九段が7連勝を果たし、中国の単独首位となった。
前回は韓国の朴廷桓九段が連勝を止めたが、今回はこの勢いを止められるだろうか。
韓国はここで負けると第2ラウンド敗退という結果となるため、意地を見せたいところだ。
さて、対局を振り返っていきます。


【実戦譜:現代的な打ち方】
黒番は一力遼八段、白番は范廷鈺九段です。
黒1、3は三々に入る代表的な戦型で、実戦例の多い打ち方。
黒1と白2の交換が悪手にならないように打つ必要があり、扱いの難しい戦術の1つです。


白4から8と先手を取った後、白10と三々入りをして相手の出方を聞きます。
右下の状況次第で、白Aと下辺を割る手や白Bなど形を決める手を選べる長所があります。
黒は相手の意図を崩す必要があり、見た目以上に先の打ち方が悩ましいです。


黒11、13は代表的な受け方です。
白16に黒Aが左下と右下の補強を見ながら下辺に黒陣を築く好点に見えます。
しかし、白Bと隅の地を稼がれると、黒が思い描く構想が取りづらくなっています。
(白B以下の変化は参考図を参照ください)


黒17、19と右下の形を決める進行を選択。
白20でAと下辺に進出しても、▲と△の交換があり下辺に大きな白地は見込みづらい碁形。
実戦は白20と手番を得ることを優先し、白22と三々入りをして足早に展開していきます。


黒23から33と地を稼ぎながら右辺に黒陣を築く進行を選びます。
ただし、右辺の幅は広すぎるためまとめるのは容易ではありません。
また、上辺に白石がきたことにより、黒Aの追及を緩和されたデメリットもあります。
白34は左下の黒の攻めと右下の厚みの働きを削ぐ効果があり、若干白打ちやすそうです。
結果、白中押し勝ち。


【参考図:バランス感覚】
黒1は自然な一手に見えますが、白2と三々入りに回られて黒が打ちづらい碁形となります。
黒3、5と先手を奪い、黒7から9と白の手抜きを咎めながら実利を稼ぐのが相場の進行。
しかし、白10が上辺の黒模様を拡大を防ぐと同時に、左辺の白陣を広げる好点になります。
黒は中央の主導権を奪いづらいため、厚みが活かしづらく若干黒打ちづらいです。

「編集後記」
星にカカる方が珍しくなってきており、数年前の碁の面影が消えつつあります。
ただ、三々定石は未開の変化はまだあるため、ここ数年は試行錯誤が続きそうです。

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