第20回農心辛ラーメン杯世界囲碁最強戦第5戦

11月23日に韓国・釜山で「第20回農心辛ラーメン杯世界囲碁最強戦」の第5戦が行われた。
中国の范廷鈺九段が韓国の崔哲瀚九段を破り、第1ラウンドの勢いのまま4連勝を果たした。
范廷鈺九段は過去に7連勝の記録を残しており、どこまで連勝を伸ばすか注目される。
なお、明日の第6戦は日本の許家元八段が出場する予定だ。
現時点での戦況を以下にまとめたので参照ください。

【日本】井山裕太九段、一力遼八段、許家元八段、本木克弥八段、芝野虎丸七段(1勝)
【中国】柯潔九段、辜梓豪九段、時越九段、党毅飛九段、范廷鈺九段(4連勝)
【韓国】朴廷桓九段、李世乭九段、申旻埈九段、崔哲瀚九段、安國鉉八段

今回は日本、韓国ともに中国の勢いを止められず、苦しい戦況に立たされている。
2年前の第18回に中国が優勝した状況と似ており、早い段階で中国の独走を止めたいところ。
明日出場する日本の許家元八段がこの苦境を覆せるか、注目していきたい。
さて、対局を振り返っていきます。


【実戦譜:流行定石の周辺】
黒番が范廷鈺九段、白番が崔哲瀚九段です。
序盤の早い段階から白3、5と形を決めにいくのが現代を代表する手法の一つ。
厚い形が築ける上に、地も甘くないのでこの戦型に関わらず多用されています。


最近は黒8と白11の交換をしてから大場に回る実戦例が多いです。
白を固める意味はありますが、右上の黒に迫られる要素を和らげた方が良いと見られてます。
黒12の三々入りも実戦例が増えており、現代では普通の手法になりました。


白13、15と外周に傷を残さずに先手で厚みを築いた後、白17に回るのが手厚い好点。
白に欠陥のない碁形なので、上辺の白陣は見た目以上に深い模様となっています。
白Aなど右上の黒に圧力をかけて右辺を割る狙いもあり、若干白打ちやすい碁形。


黒18のカカリに白19と挟んで下辺の黒陣化を防いでいきます。
黒20が意欲的な仕掛けで、白Aなどの受けは黒Bと整形された後、下辺の白が狙われます。
穏やかな進行では黒の意図した進行になるため、白も強く反発する決断が迫られています。


白21とハザマを突いていきたいところ。
白33まで、黒は隅の実利を稼ぎ、白は外周に厚みを築く相場のワカレとなりました。
黒34の大場に回って足早な展開に見えますが、白35と右辺を割るのが好点で白悪くない碁形。
上辺から中央にかけて白模様が広がっており、この模様を消すのは容易ではありません。
ただ、范廷鈺九段は右辺の白に巧みに迫って模様を削ることに成功し、勝利しました。
結果、黒中押し勝ち。


【参考図:十分な模様の幅】
黒1から5は自然な受け方に見えますが、現局面では白6で上辺に模様が広がります。
黒7には白8と上辺の模様を優先する打ち方を選択して、簡明に白良しの進行になります。

「編集後記」
中国の范廷鈺九段は前々回大会に引き続き、連勝街道を走っています。
日本としては第2ラウンドで1勝さえすれば、最終ラウンドに2人残して臨めます。
明日出場する許家元八段に勝利を掴んでもらい、少しでも良い形で繋げたいところです。

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