第9回穹窿山兵聖杯世界女子囲碁選手権決勝

11月4日に中国で「第9回穹窿山兵聖杯世界女子囲碁選手権」の決勝戦が行われた。
韓国の崔精九段が呉侑珍六段を破り、本棋戦で2連覇(通算3回優勝)を果たした。
なお、優勝賞金は30万元(約493万円)、準優勝は10万元(約164万円)だ。
以下に結果をまとめたので参照ください。(左側が勝者)

【11月4日(日):決勝戦の組合せ】
崔精九段(韓)ー呉侑珍六段(韓)

韓国では世界各国の強豪を集めて覇権を争う女流囲碁リーグが定期的に行われている。
互いを高める厳しい競争が行われているのが、韓国女流囲碁界の強さの源かもしれない。
中国も世界タイトルを奪取しているが、近年は韓国が筆頭であると言って良いだろう。
さて、対局を振り返っていきます。


【実戦譜:両カカリのタイミング】
黒番が崔精九段、白番が呉侑珍六段です。
黒1のカカリに受けず、白2など大場に走るのが最近の流行。
白8まで定石の手順を辿った後、Aの両カカリに先着せず黒9と全局的に展開します。
最近は両カカリを仕掛ける方も準備工作する必要はわかり、容易に仕掛けなくなっています。


白10と右辺に好形を築いた後、白12と左下隅を補強していきます。
当然、黒13の両カカリに回って白の手抜きを咎めにいきたいところ。
ただし、両カカリをかわす様々な手法が見つかり、厳しくないという見解もあります。


この碁形では白14から20とかわすのが好判断。
上辺の黒陣を割るよりも左辺に白陣を築いた方が将来性の高い展開となるからです。
白の意図を崩すため、黒は左辺に白模様を築かれない石運びを見せていきます。


黒21から25と白の形を崩してから、黒27から29と左下隅に食い込むのが面白い様子見です。
左辺に白模様を築く展開を許した格好に見えますが、見た目以上に左辺の構え方が悩ましい。
例えば、左下で先手を取った後に白Aは黒Bで、後に黒Cの打ち込みが厳しくなります。


白30、32と形を決めた後、白34から36と黒一子をカミ取る展開を選択。
黒37から41と左辺を割る手順を得られたので、黒悪くない石運びと言えそうです。
ただし、全局的に白厚い局面であるため、大きな白地がつく可能性が高く黒容易でないです。
結果、黒中押し勝ち。


【参考図1:無謀な戦い】
白1と応じるのは、黒2と補強しながら左辺を占められて白不満です。
▲があるので、白3と追及しても黒4と分断されて逆に白が苦しい立場になります。


【参考図2:左辺の構え方】
白1、3を決めてから白5と構えるのは自然に見えるかもしれません。
しかし、黒6にツガれると途端に白の次の一手が悩ましくなっていることに気づきます。
白7など他方に先着すると、黒8とAやBを見られて厳しい攻めが繋がらないのが泣き所。
また、左上の白も薄くなっており、受け方も難しくなっています。

「編集後記」
囲碁AIは強くなっても、示した勝率が誤りであることも多々あるため信用しすぎは危険です。
自分なりの見解を持ちながら扱わなければ、道具に遊ばれてしまうのは自明の理です。

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