第9回穹窿山兵聖杯世界女子囲碁選手権準決勝

11月2日に中国で「第9回穹窿山兵聖杯世界女子囲碁選手権」の準決勝が行われた。
準決勝は韓国の崔精九段と呉侑珍六段が勝ち上がり、韓国棋士同士の決勝戦となった。
以下に結果と組合せをまとめたので参照ください。(左側が勝者)

【11月2日(金):準決戦の結果】
崔精九段(韓)ー黒嘉嘉七段(豪)
呉侑珍六段(韓)ー呉政娥三段(韓)

【11月4日(日):決勝戦の組合せ】
崔精九段(韓)ー呉侑珍六段(韓)

本棋戦では韓国の女流棋士を代表する2名が決勝戦進出を決めた。
両者は囲碁AIが推奨する手法を採用しており、深く研究していることが棋譜から読み取れる。
日々の研究で大きく差が生じる時代なので、事前準備が今まで以上に求められるようだ。
さて、対局を振り返っていきます。


【実戦譜:現代の布石】

黒番は崔精九段、白番は黒嘉嘉七段です。
黒1、3と整形するのが現代的な打ち方の一つ。
現代では、局面に関わらずに用いられる手法であり、今では常識的な手法となっている。
しかし、全局的なバランス感覚の求められるため、使いこなすのは容易ではありません。


白4から8と形を決めるのがよく打たれる受け方。
黒9は左上の白にプレッシャーをかけながら左辺の黒陣構築を睨んでいきます。
黒の意図を崩すため、白10と黒AかBの出方を見て先の打ち方を変える進行を選択。


黒11のツギは手堅い受け方で、最近になって実戦例が増えている。
以前まで、白12に黒13とヒラいた際に白Aが残るため白悪くない展開と考えられていました。
しかし、すぐに決めると白は後手を引くため得策にならないというのが黒の主張。
現代碁は盤面に現れない要素が多く、よりシビヤな打ち方を求められています。
結果、白中押し勝ち。


【参考図1:以前の対応策】
黒1と白2を交換して左辺の白を重くし、黒3から5と封鎖するのが画期的な手法でした。
外側の黒は薄く見えますが、様々な利きがあるため簡単には脱出できません。


白6と出た瞬間、黒7と切り返すのが好手。
白8で直後に打った黒を飲み込めますが、Aが利くため黒9で封鎖できるのが黒の自慢。
続いて、白Bと黒四子を取るのは黒Cで綺麗に止められるため、ここで大場に回るのが無難。
左上の黒陣が厚くなれば、左下の黒への助けにも繋がるので今でも有力とみられています。


【参考図2:競り合いの構図】
黒1に白2、4と受ける打ち方も考えられるところ。
前図と違って封鎖しづらい格好であるため、黒5と黒四子を助け出す進行になります。


白6には黒7と眼を奪うように受けるのがオススメ。
白8と裂かれても、黒9から11と先手で補強をしてから黒13と迫れば戦えます。

「編集後記」
韓国棋士の打ち方は囲碁AI・LeelaZeroで研究しているような傾向を見受けられます。
やはり、囲碁AIを効果的に取り込んで勉強するのが良い刺激になるようです。

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