第20回農心辛ラーメン杯世界囲碁最強戦第4戦

10月19日に中国・北京で「第20回農心辛ラーメン杯世界囲碁最強戦」の第4戦が行われた。
日本の本木克弥八段が出場するも、中国の范廷鈺九段の勢いを止めることができず敗退した。
第2ラウンドは11月23日~27日の5日間、韓国・釜山で行われる予定だ。
現時点での戦況を以下にまとめたので参照ください。

【日本】井山裕太九段、一力遼八段、許家元八段、本木克弥八段、芝野虎丸七段(1勝)
【中国】柯潔九段、辜梓豪九段、時越九段、党毅飛九段、范廷鈺九段(3連勝)
【韓国】朴廷桓九段、李世乭九段、申旻埈九段、崔哲瀚九段、安國鉉八段

中国は各国の追随を許さず、無傷の3連勝を果たして第1ラウンドを制した。
日本は大きく出遅れる形となったが、勝ち抜き戦であるので勝負の行方は分からない。
第2ラウンドで日本は2勝を上げて、最終ラウンドに2名出場する形にしたいところ。
さて、対局を振り返っていきます。


【実戦譜:新感覚の布石】
黒番は本木克弥八段、白番は范廷鈺九段です。
白2、4は左下隅への侵出を緩和しながら受ける流行の手法。
左下の黒は重くなっているので、黒5の受けを強制できる長所があります。
最近は手番を巧みに奪って、要所を次々に占めていく足早な打ち方が多いです。


黒7から11と右下の地を確保しつつ、下辺の黒陣拡大を見る進行を選択。
ただし、下辺に黒石が偏っているため、若干白の方が打ちやすい布石のようだ。
黒13の三々入りは流行している一方、どれだけ研究しているかで差が生じる手法です。


左下に白が控えているので、白14と押さえるのは石の方向違いに見えるかもしれません。
あえて、黒19と左辺に食い込ませてから白22、24と封鎖するのが白の想定図です。
左辺の幅を狭くすることで、左辺の白陣を深くできるのが白の自慢です。
最近は地にしたい方向の逆を打つことが増えています。


黒25から35は現代定石の一つ。
上辺に黒陣を築けますが、左辺の白陣を荒らしづらく左辺の幅が広い分だけ白良しです。
また、白36がAとBを見合いにする踏み込みで、軽快に実利を稼いでいきます。
黒は中央の主導権も握れない碁形であり、地で先行されては作戦負けのようです。
結果、白中押し勝ち。


【参考図:広すぎる模様】
白2と左辺に大きな白模様を築くのは自然に見えます。
しかし、左辺の幅が広すぎてまとめるのが難しく、現代はこのような打ち方は減っています。
模様を築くにしても、具体的にどれくらい地ができるのか算段しなければならないようです。

「編集後記」
現代の布石は僅か数手で簡単にリードを奪われてしまうため、事前準備は必須と言えます。
特に囲碁AIの手法は相手側も研究しており、対局する前から差が生じる可能性も・・・。
実力を十分に発揮する碁形にもっていくのも大変な時代となっています。

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コメント

  1. S より:

    右下のカカリに対しては黒はハサむと思ったんですが、そういう手はどうなんでしょうか?

    • okao より:

      ハサミ方によりますが、白が右下のツケ引きを決めた後にトビくらいでも白悪くない展開になります。いずれにせよ、黒は下辺に偏る配石となるため若干白良しの変化になると思われます。