第20回農心辛ラーメン杯世界囲碁最強戦第3戦

10月18日に中国・北京で「第20回農心辛ラーメン杯世界囲碁最強戦」の第3戦が行われた。
中国の范廷鈺九段が韓国の申旻埈九段を破って、中国は無傷の2連勝を決めた。
明日の第1ラウンド最終戦は日本の本木克弥八段が出場する予定だ。
現時点での戦況を以下にまとめたので参照ください。

【日本】井山裕太九段、一力遼八段、許家元八段、本木克弥八段、芝野虎丸七段(1勝)
【中国】柯潔九段、辜梓豪九段、時越九段、党毅飛九段、范廷鈺九段(2連勝)
【韓国】朴廷桓九段、李世乭九段、申旻埈九段、崔哲瀚九段、安國鉉八段

范廷鈺九段は第18回で7連勝の新記録を達成して、中国を優勝に導いた実績を持つ。
本大会は連勝し始めると止まりづらい傾向があるため、早い段階で止めておきたいところ。
本木八段が最終戦に勝利して第2ラウンドに繋げられるか、大きな岐路を迎えている。
さて、対局を振り返っていきます。


【実戦譜1:次世代の打ち方】
黒番は范廷鈺九段、白番は申旻埈九段です。
黒1から7と隅に食い込む手に対して、白8から10と受けるのが最近の打ち方。
後手を引いて遅れているように見えますが、下辺が立派な構えとなり白悪くないようです。
碁の考え方が少しずつ変化しており、従来の打ち方が通用しない時代となっています。


黒11と右上の白にプレッシャーをかけた瞬間、白12から14がサバキの常套手段。
この手法は配石に関わらず、様々な局面で活用されるようになっています。


上辺に黒が配石されているため、黒15から17には白18と隅で治まる進行を選択。
黒19から23と封鎖されるが、白AやBがあり右辺に大きな黒地がつきにくい特徴があります。
白に弱い石がないので、黒模様を築いても消しやすい碁形であり若干白打ちやすいようです。


【参考図:下辺の薄さ】
黒1、3に白4と守るのが従来の受け方です。
黒5の後に白は大場に走れますが、黒Aがあるため下辺が白地になりづらい短所があります。
この借金は見た目以上に大きいことがわかり、最近は白4と受ける実戦例が減っています。



【実戦譜2:柔軟な石運び】
右上の厚みを背景に、黒1と上辺を広げるのは当然の一手。
白2の受けに黒3、5と積極的に模様拡大を図るのは珍しい手法です。
続いて、白Aは黒B以下符号順で上辺を広げて黒良しのワカレになります。


白6と右上の薄みを突いた瞬間、黒7と軽くかわすのが好手でした。
白8、10で右辺との連絡を断たれても、黒11で外周を厚くすれば十分と見ています。


白12、14と右辺を大きく割られますが、黒15と上辺を拡大できるので黒好調な展開。
数手の攻防ですが、黒は全局的な主導権を握ることに成功しています。
結果、黒中押し勝ち。

「編集後記」
中国の独走を許さないために、明日の第4戦で日本の本木八段には勝ってもらいたいところ。
踏ん張れるか否かで戦況が大きく変わる大一番と言っても過言ではありません。

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