第20回農心辛ラーメン杯世界囲碁最強戦第2戦

10月17日に中国・北京で「第20回農心辛ラーメン杯世界囲碁最強戦」の第2戦が行われた。
日本の芝野虎丸七段は緒戦の勢いにのれず、中国の范廷鈺九段に破れて無念の敗退となった。
明日の次局は前回大会で開幕6連勝の新記録を築いた韓国の申旻埈九段が出場する予定だ。
現時点での戦況を以下にまとめたので参照ください。

【日本】井山裕太九段、一力遼八段、許家元八段、本木克弥八段、芝野虎丸七段(1勝)
【中国】柯潔九段、辜梓豪九段、時越九段、党毅飛九段、范廷鈺九段(1勝)
【韓国】朴廷桓九段、李世乭九段、申旻埈九段、崔哲瀚九段、安國鉉八段

本大会は勝ち抜き戦であるため、総合成績で5勝以上するのが優勝圏内に入る最低条件だ。
日本の残り4名が1勝ずつすれば良い計算だが、各国は世界戦優勝クラスの強者ばかり。
日本を代表する若手棋士がどこまで世界の壁に立ち向かえるか、注目していきたい。
さて、対局を振り返っていきます。


【実戦譜:流行布石の周辺】
黒番は芝野虎丸七段、白番は范廷鈺九段です。
黒1、3と序盤早々に形を決める打ち方が増えています。
黒の補強を図ると同時に、左下の白を攻める狙いがあり受け方を工夫する必要があります。


白4、6と受けて左下隅を十分に補強する受け方がよく採用されます。
黒9と左下を固める短所はあるものの、憂いなく白10など大場に回れる長所があります。
黒から左下の白へ迫る狙いを薄くするのが見た目以上に価値が高いと見られているようです。


黒11、13が三々入りへの代表的な受け方となっています。
白14は黒に手抜きされない工夫で、黒も何かしら応じなければなりません。
黒15、17が厳しい受け方で難解な攻防に発展する可能性が高く、研究する必要があります。


白18、20と外回りの傷を突くのが当然の態度。
白24とAの傷を強調した瞬間、黒25と強引に守るのも時々打たれる戦型の一つです。
三々定石は進化し続けており、今では難解定石の一つとして数えられています。


白26と右下の黒三子の活力を奪うところ。
黒27の切りに白28、30と受けるのが范廷鈺九段の用意していた対応策。
黒31で外周を厚くしただけに見えるが、白32から34と傷をつくのが本命の狙いです。
AとBが見合いとなっており、何れかの黒を取れる格好となります。


黒35から39と右辺方向の黒陣を整備し、白40から42と下辺の黒を制すまで一本道。
現局面では左下に白が控えており、下辺に白模様が広がる分だけ白が良いようです。
三々定石はどれだけ研究しているかで勝敗に大きな影響を及ぼすものになっています。
結果、白中押し勝ち。


【参考図:左下への狙い】
白1から5と受けるのが従来の受け方です。
しかし、黒6と押されると、後にAやBと左下に迫る狙いがあり白やや不満なワカレ。

「編集後記」
最近の碁は事前準備する必要がある形が非常に多いです。
一つの要因は囲碁AIにより、誰でも手軽に研究できるようになったからです。
今では30~40手先まで研究する必要のある定石も多く、水面下の戦いが激しくなっています。

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