第23回三星火災杯世界囲碁マスターズー16強戦

10月1日に韓国で「第23回三星火災杯世界囲碁マスターズ」の16強戦が行われた。
日本の井山裕太九段が中国の李軒豪七段を破り、日本は9年ぶりに8強戦へ駒を進めた。
次の相手はLG杯決勝で敗れた中国の謝爾豪九段、リベンジを果たしたいところだ。
以下に本日の対戦結果をまとめたので参照ください。(左側が勝者)

【10月1日(月):16強戦の結果】
連笑九段(中)ー崔精九段(韓)
柯潔九段(中)ー辜梓豪九段(中)
安國鉉八段(韓)ー楊鼎新七段(中)
唐韋星九段(中)ー陶欣然七段(中)
謝爾豪九段(中)ー朴廷桓九段(韓)
申眞諝九段(韓)ー李翔宇五段(中)
申旻埈九段(韓)ー童夢成七段(中)
井山裕太九段(日)ー李軒豪七段(中)

【10月2日(火):8強戦の組合せ】
柯潔九段(中)ー申眞諝九段(韓)
連笑九段(中)ー安國鉉八段(韓)
唐韋星九段(中)ー申旻埈九段(韓)
井山裕太九段(日)ー謝爾豪九段(中)

世界一の打ち手である朴廷桓九段は中国の謝爾豪九段に序盤で出遅れて敗北を喫した。
世界のトップ棋士の差はほとんどなく、序盤での僅かな差が致命傷になるようだ。
囲碁AIで流行形を研究して準備することは必須であると言わざるを得ない。
さて、対局を振り返っていきます。


【実戦譜:最近の流行形】
黒番は崔精九段、白番は連笑九段です。
黒1、3と隅の形を決めて、整形を求めるのが最近よく打たれる手法。
それに対して白4とカケツギで受ける打ち方は中国棋士を中心に広まり始めています。
囲碁AI・絶芸による研究の結果である高いので、今後の動向に目が離せない状況です。


黒5と受けるなら、白6と左下を厚くしながら黒への攻めを睨んでいきます。
右下の形の利点は自身のダメヅマリを避けられるため、黒から寄り付かれづらい点です。
黒7、9と左下の整形に着手していきますが・・・。


白10から14と先手で形を決め手から、白16と左下の黒に迫るのが白の狙いでした。
白Aと左上の黒に迫る狙いもあるため、黒は左上か左下のどちらかを守る必要があります。


黒17の狭いヒラキを選択し、できる限り左下に悪影響を及ぼさない工夫を凝らします。
しかし、白18から20と左下の黒が攻める展開になれば若干白打ちやすいようです。


黒29まで、左辺の攻防は一段落して、白30の三々入りから地を稼いでいきます。
黒31、33と手番を得ることを重視した受け方を選び、黒35と右辺に模様を敷きます。
ただし、構わず白36と三々入りして地を稼ぐのが現代的な打ち方の特徴です。
右辺の模様は広すぎるため、いくらでも消す余地は残されていると主張しています。


黒37、39と先手を取った後、黒43から45と封鎖して右辺の模様が深く見えます。
ここで、連笑九段は明るい形勢判断と柔軟な打ち回しを見せていきます。


白46から50と右下隅をしっかり受けるのが堅実。
一見すると、黒51と守られて右辺の模様を固めているように見えます。
しかし、白51の肩ツキがAの切りを睨みながら黒模様を消す絶好点になりました。
右辺の白を攻め切るのが難しく、各所で稼いだ白の実利が活きる展開です。
現代碁の特徴をそのまま体現した打ち回しと言えるでしょう。
結果、白中押し勝ち。

「編集後記」
日本の井山九段が世界戦8強入りを決めました!
去年同様に決勝まで勝ち上がり、日本に朗報を持ち帰ってほしいところですね。

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