第23回三星火災杯世界囲碁マスターズー32強戦(3)

9月6日に韓国で「第23回三星火災杯世界囲碁マスターズ」の32強戦が行われた。
日本勢は井山裕太九段、柳時熏九段、芝野虎丸七段が参戦し、井山九段が勝ち上がった。
中国は10名、韓国は5名、日本は1名が10月1日の16強戦に進出した。
以下に本日の対戦結果をまとめたので参照ください。(左側が勝者)

【9月6日(木):32強戦3回戦の結果】
<A組>
辜梓豪九段(中)ー芝野虎丸七段(日)
<B組>
陶欣然七段(中)ー李世乭九段(韓)
<C組>
童夢成七段(中)ー陳梓健六段(中)
<D組>
柯潔九段(中)ー王元均八段(台)
<E組>
申旻埈九段(韓)ー范蘊若七段(中)
<F組>
連笑九段(中)ー金志錫九段(韓)
<G組>
井山裕太九段(日)ー檀嘯九段(中)
<H組>
李翔宇五段(中)ー柳時熏九段(日)

【16強戦の進出者一覧】
中国:柯潔九段、謝爾豪九段、辜梓豪九段、唐韋星九段、連笑九段、李軒豪七段、
楊鼎新七段、陶欣然七段、童夢成六段、李翔宇五段
韓国:朴廷桓九段、申眞諝九段、申旻埈九段、崔精九段、安國鉉八段
日本:井山裕太九段

【10月1日(月):16強戦の組合せ】
連笑九段(中)ー崔精九段(韓)
柯潔九段(中)ー辜梓豪九段(中)
楊鼎新七段(中)ー安國鉉八段(韓)
唐韋星九段(中)ー陶欣然七段(中)
朴廷桓九段(韓)ー謝爾豪九段(中)
申眞諝九段(韓)ー李翔宇五段(中)
申旻埈九段(韓)ー童夢成七段(中)
井山裕太九段(日)ー李軒豪七段(中)

日本の第一人者である井山九段が32強戦の壁を破り、世界戦第2ラウンドに進出した。
今年のLG杯以来、井山九段は世界戦で不振が続いていたが、遂に復調の兆しが見えてきた。
囲碁ファンは世界戦の活躍に期待を寄せているので、この調子で躍進してほしいところ。
さて、対局を振り返っていきます。


【実戦譜1:現代的な感覚】
黒番が陳梓健六段、白番が童夢成七段です。
黒1から5は大流行している布石で実戦例も非常に多い戦型。
白6の三々入りに黒Aが自然な対応に見えますが、囲碁AIは黒Bを推奨することが多いです。
相手の石をあえて引き込んで、より深い模様を築いた方が良いと判断しているようです。


黒7、9は手番を得ることを重視した受け方。
黒15まで、右辺から下辺に大きな黒模様を築けば黒悪くない展開に見えます。
しかし、大模様に対抗する石運びが研究され、黒が必ずしも良い訳でないことに気づきます。


白16、18と地を稼ぎながら形を整えて十分と見るのが現代的な感覚。
右辺の模様はA~Cなど荒らす余地が残されており、すぐに削る必要がないようです。
白26まで、白は外堀を埋めて右辺の模様のまとまり具合を焦点にする碁形に誘導しています。
黒は右辺を大きくまとまるのが難しく、白が若干打ちやすい流れになっているようです。
結果、白中押し勝ち。


【参考図:囲碁AI推奨の流れ】
黒1と押さえ込む進行を囲碁AIは推奨しています。
白2から6と右辺に食い込まれるため、石の方向が逆であるように感じますが・・・。


黒7、9と強引に右辺の侵出を止める手段があります。
続いて、白Aは黒Bで右辺と上辺を止められてしまいます。


当然、白10と反発して上辺へ進出したいところ。
黒19まで、二線に黒石がある厚みなので、実戦よりも右辺に対して厚くなっています。
例えば、白Aの打ち込みは黒Bと上から圧力をかけられて見た目以上にシノぐのが大変です。
最近は「押さえたい方向の逆を打つ」手法が有力であることがわかっています。

「編集後記」
世界戦の32強戦を井山九段が突破し、10月の第2ラウンド進出を決めました!
この調子で世界戦優勝まで駆け上がってほしいですね。

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