第16回建橋杯中国女子オープン戦ー準決勝

9月2日に中国棋院で「第16回建橋杯中国女子オープン戦」の準決勝が行われた。
中国の王晨星と蔡碧涵が勝ち上がり、決勝三番勝負へ駒を進めた。
なお、決勝三番勝負は11月9日に中国・香港で行われる予定だ。
以下に対戦成績をまとめたので参照ください。(左側が勝者)

【9月2日(日):準決勝の結果】
王晨星―於之瑩
蔡碧涵ー高星

【11月9日(金):決勝三番勝負】
王晨星―蔡碧涵

蔡碧涵は中国女子甲級リーグに参戦した実績を持つが、大きなタイトルを奪取していない。
決勝戦は世界戦常連の王晨星、この壁を打ち破って一気に駆け上がれるか、注目したい。
さて、対局を振り返っていきます。


【実戦譜1:シチョウ関係の定石】
黒番は於之瑩、白番は王晨星です。
白1の三々入りに黒2、4と受けるのが最もよく打たれる手法です。
白7まで、穏やかなワカレですが、黒はシチョウが良ければ有力な後続手段があります。


黒8を決めてシチョウを良くしてから、黒10から12と手をつけるのが黒の狙いです。
シチョウが関係しない形に見えますが、この僅かな違いが大きな差を生みます。
続いて、白Aと受けるのは黒Bと右辺方向への侵出を止められるので・・・。


白13と黒一子を取って反発するところ。
黒14から20まで一本道の変化ですが、次に白Aと受けるのは黒Bで厚い形を許します。
シチョウが良いと黒に厚い形を与えるため、白は工夫する必要があります。


白21のハネ出しがシチョウの悪い際に用いられる手法。
黒22、24の受けを強制させてから白25と右下に手を戻すのが手順です。
白二子の活力が残っているのが見た目以上に大きく、白悪くないワカレのようです。
これから多く打たれる変化の一つなので、頭の片隅にあると役に立ちそうです。
結果、白2目半勝ち。



【実戦譜2:流行の戦型】
黒番は高星、白番は蔡碧涵です。
黒1のカカリを決めてから黒3の両カカリを選択します。
2回戦でも同じ戦型が出ており、中国では流行している形の一つかもしれません。
両カカリへの様々な対策が発見され、現代では両カカリを許す実戦例が増えています。


白4、6がほぼ必然の受け方となりました。
黒7は地を稼ぎつつ左下の白を追及する狙いがありますが、白8で簡明にかわせるようです。
これで両カカリを白悪くない見解に至れば、星へのカカリ自体が激減するかもしれません。


黒9、11と地を稼がれますが、白12と外回りを整形すれば白十分とみています。
元々、左下は黒石が一つ多い状況から始まった場なので、黒が若干追及不足かもしれません。
後に白Aの切りから左下の黒に手をつける狙いもあるのも、白良しの要因と言えそうです。
結果、白中押し勝ち。

「編集後記」
囲碁AIの打ち方を棋士が中心に用いたお陰で、大分狙いや構想が見えてきました。
ここ数年は囲碁AIの手法が多く見られるはずなので、棋譜のチェックは必須ですね。

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