囲碁AI・金毛測試の観戦記2

囲碁AI・金毛測試が打つ奇手の中でも、今回紹介するものは指折りではないでしょうか。
特定の状況下では用いることが多いため、囲碁AI的には有力と見ているようです。
選択肢の一つとして頭の隅においておくと役立つかもしれません。


【実戦譜:囲碁AIの奇手】
黒番が金毛測試、白番はgrace狐城です。
白1は常識になりましたが、▲に配石している場合は必ずしも白良くなる訳でないようです。
この碁形では奇手を打つパターンに入る傾向があり、囲碁AIは黒有力だと判断しています。


黒6と左辺の進出を止めるなら、白7から11と切るのが最近打たれる手法。
当然の応酬に見えますが、既に黒の術中にはまっているようです。


そのまま取られてはいけないので、黒12と動き出すところ。
白13から17と左下の黒の活力を奪いながら傷を守っていきます。
白19まで、AとBを見合いにされて黒窮しているように見えますが・・・。


黒20のオキが金毛測試の用意していた奇手です。
白Aと裂きたいですが、黒B以下符号順で白窮しています。(参考図参照)


白21の切りを入れますが、黒22から24と守られて白は至る所が弱い戦況となります。
白25と左下の黒を孤立させても、黒26と封鎖されて次の一手が悩ましいです。
黒は下辺の状況に合わせて、AやBと形を決めることができるからです。


白27のツケコシが黒の薄みを突く最後の抵抗です。
白33まで、黒も相当危ない格好にみえますが、▲があるためギリギリ耐えられる碁形です。


黒34と種石の脱出を図ってから、黒36と左下の白に絡みながら守るのが好手。
左下の白が飲まれないよう、白37から39と守らざるを得ないのが泣き所。
その間に黒40とダメを詰めて下辺の白七子は手数が短く取られの格好です。


白41、43と引き出せますが、黒44から52と外回りを厚くされては黒良しのワカレです。
本図は一例であり、多くの変化が内在されているのでこれから深く研究されていくはずです。
碁の可能性はまだまだ広がっていると改めて感じる進行でした。
結果、黒中押し勝ち。


【参考図1:巧妙な利き味】
白2と直接遮りたいところですが、黒3から5と進出を止められて白苦しい格好。
白6と黒の薄みを突いた瞬間、黒7と冷静に生きを図るのが簡明な好手です。
白Aは黒B、白C、黒Dで何れかの白が綺麗に取られてしまいます。


白8には黒9のツギで何れかの白が取られる格好になります。
黒11に白Aは黒Bで逃げ出せるため、下辺の白は助からない進行です。


【参考図2:オキの効果】
前図の変化を避けるため、白1と頭を出すのも考えられます。
しかし、黒2と冷静に外周を整備すれば、左下の白を守らざるを得ません。
ただ、現局面では黒6と右辺方向に連絡できるので、白はバラバラになってしまいます。

「編集後記」
二線のオキは奇想天外な手ですが、いざ打たれるとハッキリ咎める手が見つかりません。
これから三々定石を打つ方は十二分に警戒して打つ必要があるでしょう。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする