囲碁AI・金毛測試の観戦記1

連日、野狐囲碁で棋士と対戦している囲碁AI・金毛測試の対局を紹介していきます。
打ち方の幅が広い類の囲碁AIであるため、発想の幅を広げる上で大きな助けとなるはずです。
中盤の石運びも素晴らしいですが、主に序盤の打ち方を中心に解説する予定です。


【実戦譜1:三々定石の進化】
黒番がjhba0425、白番が金毛測試です。
黒1の三々入りは常識に近い定石へと変容しています。
白2、4がよく打たれる受け方で、これに対して黒5とツケるのが最近打たれる手法です。
続いて、白Aは黒B、白C、黒Dで白甘い展開となるため、強く受ける必要があります。


白6と押さえて頑張りたいところ。
当然、黒7から11と切って白の薄みを突きに行きますが・・・。


白12と左下に活力を持たせるのがポイント。
黒13の動き出しには白14、16と抵抗するのが好手で黒は良い図が作れません。


黒17は左下の動き出しを牽制しながら断点を守る苦肉の策。
白18から24と左下隅を生きても、黒25と外の傷を突けば黒悪くなさそうですが・・・。


白26から30と守るのが冷静な収束です。
黒31と下辺にまわられて白の実りが少なく見えるが、白32と左辺の黒に迫るのが厳しい。
白は厚い形を築かれている上に黒は重い石となっているため、黒のシノギに悩まされます。


黒33と左辺の連絡を図るのが相場。
しかし、白34から36と先手で守られた後、白38と地を稼げば白悪くない局面となります。
左辺の白はAの利きやBの狙いがあるため、見た目以上に攻めづらい格好をしています。
一方、黒は厚い碁形を築いても、下辺の白が堅陣であり厚みが活かしづらい碁形です。
結果、白中押し勝ち。


【参考図1:気になる変化】
黒2とツグ変化がどうなっているか気になるところ。
例えば、黒3から7と懐を広げた瞬間、白の応手が悩ましいように見えるからです。
白Aと抵抗するのは黒B以下符号順で左下隅はセキのような格好になります。
白は左下を捨て石に打つと思いますが、先の進行を知りたいですね。



【実戦譜2:金毛流のサバキ術】
黒番がziggler、白番が金毛測試です。
黒1の両カカリを許す実戦例が増えているので、本戦型も参考になるはずです。
白2から8まで、最も打たれる対処法の一つであり、変化の余地もほとんどない進行。
黒9と右下隅を追及されると白苦しい戦いに見えるが、次の一手で局面が大きく動きます。


白10と様子見するのが、金毛測試が多用する積極的な受け方です。
相手の動きに合わせて下辺に働きかけられるため、黒の応手も悩ましいところ。


黒11、13と薄みを突いた瞬間、白14と切り返すのが好手でした。
黒Aで白を取れるので、いたずらに下辺の黒を固めているように見えますが・・・。


黒15と白を取りにいくと、白18から20で外を厚くされてしまいます。
AやBを狙われており、黒は下辺と右辺を同時に守れない状況となっています。


黒21と下辺の補強を優先します。
しかし、白24と黒を重くしてから白26が厳しく、右辺の黒を助けるのが難しくなりました。
両ガカリから始まった攻防ですが、いつの間にか白に主導権を握られています。


黒27から右下を捨て石に、外周を厚くする変化を選ばざるを得ません。
白36まで、右辺が味よく取られては白の実利に軍配があるワカレとなり白成功です。
両カカリに対するサバキ方の幅は広く、例え連打されても厳しくないのかもしれません。


【参考図2:冷静な見合い】
黒1と右辺に受けるのは、単純に白2から4と受けられてAとBを見合いにされます。
もちろん、黒もそれなりには戦えそうですが、互角以上に持ち込むのは難しく見えます。

「編集後記」
囲碁AIの手法は柔軟かつ斬新な打ち方を多く見せてくれます。
今回紹介できなかったものも多いので、ぜひ、他の棋譜も鑑賞してください。

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