2018中信証券杯世界囲碁AI大会ー初日

8月13日に中国・南寧で「2018中信証券杯世界囲碁AI大会」が開幕した。
日本からAQとRaynzが出場し、AQが4勝1敗で二位通過を果たして準決勝進出を決めた。
AQは山口祐氏が個人で開発したもので、Zenに次ぐ日本のエースとして奮闘している。
以下に本日の結果と明日の組合せをまとめたので参照ください。(左側が勝者)

1R 2R 3R 4R 5R 勝星 順位
星陣囲碁(中) ○6 ○3 ○2 ○4 ○5
AQ(日) ○8 ○4 ×1 ○7 ○6
ELFOpenGo(米) ○7 ×1 ×4 ○5 ○8
章鱼围棋(中) ○5 ×2 ○3 ×1 ○7
DolBaram(韓) ×4 ○8 ○6 ×3 ×1
Og-go(韓) ×1 ○7 ×5 ○8 ×2
BADUKi(韓) ×3 ×6 ○8 ×2 ×4
Raynz(日) ×2 ×5 ×7 ×6 ×3

【8月14日(火):準決勝三番勝負の組合せ】
星陣囲碁(中)ーELFOpenGo(米)
AQ(日)ー章鱼围棋(中)

日本のAQは「2018Tencent杯世界囲碁AI大会」で4強に残る強豪囲碁AIだ。
本棋戦も安定した強さを見せて危なげなく準決勝に駒を進める結果を残している。
準決勝で対局する中国の章鱼围棋には一度も敗れておらず、決勝進出への期待が膨らむ。
明日の対局でAQは世界戦の決勝戦に進めるか、注目していきたい。
さて、対局を振り返っていきます。


【実戦譜1:独特な布石感覚】
黒番がAQ、白番がOg-goです。
黒1の両カカリに白2、4はよくある受け方の一つ。
ここで黒AやBと隅に食い込まず、黒5のオシを選択したのは非常に珍しい。
左下の白にプレッシャーをかけるより、左辺を固めることを重視した打ち方です。


当然、白6から10と整形されますが、左辺と下辺を補強できるのも大きな戦果。
ただし、黒は先の構想を描くのが非常に難しく、扱いにくい戦型の一つと言えるでしょう。


白12、14で左辺の構え方が悩ましく見えたが、黒15と五線に配石したのが面白い。
元々、左辺は地になりづらいので、高く構えて中央の主導権を握る構想を目指していきます。


白16の打ち込みに黒17と手厚く打ち進める展開を選びます。
白18と連絡されて黒甘く見えますが、黒19から21と大場に走れば全局的には良い勝負。
はっきりした見通しが立てづらい構想なので、発想を取り入れるのは難しいです。
結果、黒1目半勝ち。



【実戦譜2:新感覚の布石】
黒番が星陣囲碁、白番がELFOpenGoです。
黒1の両カカリを許す実戦例が人間界でも多く打たれるようになりました。(こちらも参照)
白2から黒9までは定石のような手順ですが、ここで白10のトビが最近の手法です。
白にAとBを見合いにされて黒苦しく見えますが、面白い着想で局面を打開します。


黒11と左辺の補強を優先していきます。
白12と追及されますが、黒13から15と丁寧に守って耐える進行を選びます。
白16の両カカリにまわられて、黒は忙しい局面に見えますが・・・。


黒17から21と中央への進出して、左上の黒が寄り突かれる憂いを消します。
当然、白22と連打されてしまいますが、構わず黒23から27と大場に走っていきます。
黒Aと生きる手も残っているので、黒は攻防の要所を押さえた方が良いと判断したようです。
急場を押さえる基本に忠実な打ち方ですが、この進行を選ぶのは中々勇気のいる展開です。
結果、黒中押し勝ち。

「編集後記」
日本のAQが実力を発揮して予選を危なげなく突破しました。
準決勝の相手も今まで負けたことがない相手なので、決勝進出に進めそうですね。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする