2018Tencent杯世界囲碁AI大会準決勝五番勝負

7月29日に中国棋院で「2018Tencent杯世界囲碁AI大会」の準決勝五番勝負が行われた。
日本のAQは優勝候補の絶芸にマネ碁の奇策を試みるも、的確に打ち回されて敗退となった。
明日行われる決勝七番勝負は、中国の絶芸と星陣囲碁の組合せとなり同所で対決する予定だ。
なお、準決勝は持時間各30分+60秒の秒読み5回の中国ルール(コミ7目半)で行われた。
以下に本日の結果をまとめたので参照ください。(左側が勝者)

【7月29日(日):準決勝五番勝負の結果】
絶芸(中)3ー0AQ(日)
第1局:絶芸、白中押し勝ち
第2局:絶芸、黒中押し勝ち
第3局:絶芸、白中押し勝ち

星陣囲碁(中)3ー2ELFOpenGo(北米)
第1局:星陣囲碁、白中押し勝ち
第2局:ELFOpenGo、白中押し勝ち
第3局:ELFOpenGo、黒1目半勝ち
第4局:星陣囲碁、黒中押し勝ち
第5局:星陣囲碁、白中押し勝ち

今回の準決勝でも人間では思いつきづらい発想で打ち進める石運びが見られた。
部分的には悪くても、全局的には不思議と悪くなっていない印象を受ける。
人間は盤面全体を使えているようで、実は部分的な優劣に引っ張られているのかもしれない。
さて、対局を振り返っていきます。


【実戦譜1:新時代の布石】
黒番が星陣囲碁、白番がELFOpenGoです。
白1や黒2など星へのカカリに受けないのが主流になっています。
相手の出方を見てから局面を動かす「後の先」を重んじる囲碁AIらしい序盤戦と言えます。


黒4から8と右辺の模様を広げるのは自然な発想。
白9のハサミに黒Aなど形を決めず、黒10と右辺をさらに広げる構想を描きます。
続いて、白が左下を連打するのは黒Bで右辺の黒陣が堅くなるので・・・。


白11と右下の黒陣を割りにいくのを優先します。
黒12で下辺の白が孤立しそうですが、構わず白13から17と補強するのが機敏でした。
黒18と左下に連打されても、白19と治まれば右辺を割れた得が大きく白十分と見ています。
局面に合わせて柔軟に要所を占めていく囲碁AIらしい石運びが現れた一局でした。
結果、白中押し勝ち。

「編集後記」
記事では序盤の打ち方を中心に紹介していますが、中盤の打ち方をぜひ鑑賞してほしいです。
勝ち碁を勝ち抜く戦術と目ぐるしく変わる戦況に合わせて石を捨てる正確な判断が見所。
囲碁AIの真価は序盤ではなく、中盤の打ち方であると自分は考えています。

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