第23回三星火災杯世界囲碁マスターズ統合予選決勝

7月7日に韓国で「第23回三星火災杯世界囲碁マスターズ」の統合予選決勝が行われた。
韓国6名、中国11名、日本1名、海外1名となり、中国の強さが際立つ結果となった。
9月4~6日の本戦32強戦には日本の井山裕太九段、芝野虎丸七段、柳時熏九段が出場する。
以下に対戦結果とまとめたので参照ください。(左側が勝者)

【7月7日(土):予選決勝の結果】
韓国19名→6名、中国16名→11名、日本2名→1名、台湾0名、海外1名
<A組>
檀嘯九段(中)ー趙晨宇六段(中)
<B組>
楊鼎新七段(中)ー朴進率八段(韓)
<C組>
陳梓健六段(中)ー金希洙初段(韓)
<D組>
李翔宇五段(中)ー原正和二段(日)
<E組>
羅玄九段(韓)ー何暘三段(中)
<F組>
時越九段(中)ー李元榮七段(韓)
<G組>
連笑九段(中)ー伊凌濤五段(中)
<H組>
羋昱廷九段(中)ー鄔光亜六段(中)
<I組>
申旻埈八段(韓)ー黄云嵩六段(中)
<J組>
陳耀燁九段(中)ー姜昇旼六段(韓)
<K組>
陶欣然七段(中)ー崔哲瀚九段(韓)
<L組>
尹聖植アマ(韓)ー宋圭相三段(韓)
<M組>
李軒豪七段(中)ー姜東潤九段(韓)
<N組>
范蘊若六段(中)ー李東勲九段(韓)
<O組(45才以上)>
徐奉洙九段(韓)ー安官旭九段(韓)
<P組(45才以上)>
柳時熏九段(日)ー俞斌九段(中)
<R組(女流枠)>
李映周二段(韓)ー朴泰姬二段(韓)
<S組(女流枠)>
崔精九段(韓)ー呉政娥三段(韓)


【本戦出場棋士】
「シード枠」
招待:辜梓豪九段、唐韋星九段、安國鉉八段、童夢成六段
韓国:朴廷桓九段、申眞諝九段、金志錫九段、李世乭九段
中国:柯潔九段、謝爾豪九段
日本:井山裕太九段、芝野虎丸七段
ワイルドカード:未定

「予選通過者」
中国:時越九段、連笑九段、羋昱廷九段、陳耀燁九段、檀嘯九段、楊鼎新七段、李軒豪七段、陶欣然七段、范蘊若六段、陳梓健六段、李翔宇五段
韓国:徐奉洙九段、羅玄九段、申旻埈八段、崔精九段、李映周二段、尹聖植アマ
日本:柳時熏九段
海外:曾富康

統合予選突破者を見ると、世界戦でよく目にする棋士ばかりだ。
世界戦で活躍する棋士は一発勝負のトーナメント戦でも安定した実力を発揮するようだ。
9月に行われる本戦で日本棋士が世界の壁を打ち破れるか、注目していきたい。
さて、対局を振り返っていきます。


【実戦譜1:打ち込みの攻防】
黒番が崔哲瀚九段、白番が陶欣然七段です。
白1と黒2を交換して左下の黒を重くしてから白3とヒラくのは常套手段。
黒は左下を守るだけでは良くないため、黒4の打ち込みから積極的に仕掛けたいところ。
下辺の攻防は実戦でよく表れる戦型の一つなので、対策を立てると役に立ちそうです。


白5と封鎖を目指すのは無難な対応策。
黒6に対して白が封鎖しても外周の厚みに傷が残るため、白7と下から受ける一手。
黒12まで、次に黒Aが見られており白は強く反撃しづらいように見えますが・・・。


白13の押しが厳しい追及でした。
黒14と応じても、白15から17と形を整えてから白19と切るのが決め手。
AのシチョウとBの白二子取りを同時に防がれており、黒窮した格好となりました。


種石を取られないよう、黒20と受けざるを得ないところ。
しかし、白21から23のシボリで黒Aの狙いを先手で解消されるのが黒の泣き所。
白27まで、下辺一帯の黒がはっきりしない形となり白有利な戦いとなりました。
結果、白中押し勝ち。



【実戦譜2:囲碁AIの手法】

黒番が黄云嵩六段、白番が申旻埈八段です。
黒1のツケが囲碁AIが用いる手法の一つで人間界でもよく目にするようになりました。
AかBの何れかですが、白Bと下から受けて地に辛く打つことが多いです。


白2は外回りを厚くする意図。
黒3から9と整形されても、黒を低位置にできるので白悪くないと判断しているようです。


白10、12と強気に封鎖を目指すのが、申旻埈八段が用意していた手法。
続いて、黒A以下符号順は白の厚みに軍配が上がるため、黒は工夫する必要があります。


黒13から17と地を多く持ちながら左辺で治まることを目指します。
AとBが見合いで黒がうまく受け切ったように見えますが・・・。


白18と分断するのが強手。
黒19と切られても、白20から32と左下の黒を取れば十分と見ています。
黒の厚みが立派に映りますが、白Aと荒らす余地があり上辺をまとめるのが難しい。


黒35と一間の受けには白36を決めてから白38とスベるのが最近の手法。
続いて、黒Aは白36と黒37の交換が白良しの利かしとなるため受けづらいところ。
左上の厚みを背景に黒39と上辺の自陣を固めた瞬間、白40と荒らすのが機敏。
白Bの味があるため、ほぼ取ることのできない形となっています。


黒41、43が相場ですが、白52まで上辺で治まられては黒不満。
左下の実利が大きい展開となり、若干黒が遅れていると言えるでしょう。
序盤のワカレは上辺の黒陣を荒らせる前提で打たれた面白い手法でした。
結果、白中押し勝ち。

「編集後記」
統合予選の対局のほとんどが囲碁AI発の手法でした。
中でも三々戦術が多用されており、世界的に大流行しているようです。

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