第20回中国阿含桐山杯16強戦

6月29日に中国棋院で「第20回中国阿含桐山杯」の16強戦が行われた。
16強戦は全局白番が勝つ結果となり、コミの負担が重い黒番は若干不利なのかもしれない。
持時間は1手30秒+1分の考慮時間10回の中国ルール(コミ7目半)である。
優勝賞金は20万元(約334万円)、準優勝は8万元(約133万円)だ。
以下に対戦結果をまとめたので参照ください。(左側が勝者)

【6月29日(金):16強戦の結果】
周睿羊九段ー王碩四段
陳耀燁九段ー謝科六段
時越九段ー丁浩五段
趙晨宇六段ー張涛六段
范廷鈺九段ー李欽誠九段
屠晓宇三段ー夏晨琨六段
孟泰齢六段ー范胤七段
陶欣然七段ー童夢成六段

常連の中国棋士が勝ち進む中、新鋭の屠晓宇三段が8強戦へ駒を進めた。
中国天元戦で強敵を破った実績があり、中国の次期エースとして期待されているようだ。
本棋戦でどこまで勝ち進むことができるのか、注目していきたい。(8強戦は7月18日)
さて、対局を振り返っていきます。


【実戦譜1:囲碁AI推奨の手法】
黒番が夏晨琨六段、白番が屠晓宇三段です。
黒1のカカリに白2、4と受けるのが囲碁AI推奨の受け方です。
LeelaZeroやELFOpenGoなども同じ手を第一候補として挙げており、良い受け方のようだ。
左下の黒を重くして黒Aなどの受けを強要し、白は大場を占める展開を目指しています。


黒も相手の意図を崩すため、黒5から7と足早に展開して対抗していきます。
白8まで左下の黒を攻める展開なら、△と▲の交換が白良しに働くので白不満なさそうです。
これから多く打たれそうな手法なので、ある程度対策を立てる必要がありそうです。
結果、白半目勝ち。



【実戦譜2:流行のサバキ】
黒番が張涛六段、白番が趙晨宇六段です。
白1と大場に占めた瞬間、黒2と相手の出方を利く手法もよく打たれるようになりました。
白AやBの受けは若干利かされなので、最近は白3からサバキを目指すのをよく目にします。
この3手の流れはAlphaGoZeroの自己対戦でも現れており、大流行している手法の一つです。


黒4の受けは手堅い受け方。
白5から11と形を決めてから、白13と下辺の黒を攻めるのが柔軟でした。
A~Dなどの利きがあり下辺の白は見た目以上に強く、黒Eと下辺を裂きづらい碁形です。
また、右辺の黒陣も右下の利きを横目に荒らす余地が残されており若干白打ちやすそうです。
結果、白半目勝ち。



【実戦譜3:三々定石の周辺】

黒番が王碩四段、白番が周睿羊九段です。
白1と三々入りするのは常識となり、カカリを選択するのが珍しい時代となりました。
これから数多く打たれるので、どういった石運びがあるのか知っておくと役に立つはずです。


右下にシマリがあるので、黒2から6と押さえるのは自然な対応。
黒8に白Aと受ければ自然ですが、周睿羊九段は辺の価値を重視した打ち方を見せます。


白9とAの傷を見ながら右辺の黒陣を割るのが面白い。
黒10、12と守るのが相場ですが、白13と右辺に構えれば厚みの働きを削げるので白十分。
最近は厚みの働きを削ぐだけでなく、右上の黒の攻めを見る厳しい着想が求められています。
結果、白中押し勝ち。

「編集後記」
中国棋士は囲碁AIの手法を積極的に取り入れている傾向が見られます。
囲碁AIを如何に活用するかが今後の課題となりそうです。

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