第8回中国姜堰黄竜士精鍛科技杯世界女子団体戦ー8日目

6月8日に中国で「第8回中国姜堰黄竜士精鍛科技杯世界女子団体戦」の8日目が行われた。
最終戦で中国の於之瑩六段が韓国の崔精九段に勝利し、中国が5度目の優勝を飾った。
優勝賞金は1チーム45万元(約767万円)、また毎局8000元(約13万円)が支給される。
以下に本日の結果と戦況をまとめたので参照ください。(左側が勝者)

【6月7日(水):13、14回戦結果】
<第13戦>崔精九段(韓)ー王晨星五段(中)
<第14戦>於之瑩六段(中)ー崔精九段(韓)

【日本】謝依旻六段藤沢里菜四段(1勝)王景怡三段牛栄子二段(1勝)上野愛咲美二段
【中国】於之瑩六段(1勝)芮乃偉九段李赫五段(5連勝)王晨星五段周泓余三段(1勝)
【韓国】崔精九段(3連勝)呉侑珍五段(2連勝)呉政娥三段金多瑛三段金美里三段

世界の女流囲碁界は韓国の勢いが強く、中国が追随する形で推移していた。
しかし、本棋戦で中国が優勝したことで、女流囲碁界も中韓の二強時代に突入したようだ。
この均衡はいつ崩れてもおかしくないため、戦いの激しさが更に増すことが予想される。
今後、世界の女流囲碁界がどう変化していくのか、注目していきたい。
さて、対局を振り返っていきます。


【実戦譜:両カカリの攻防】
黒番が崔精九段、白番が於之瑩六段です。
黒1、3の両カカリに白4と応じるのが最近よく打たれる流行形の一つ。
星への両カカリを許す実戦例が多く、連打された際の研究が急速に進んでいるようだ。


黒5、7と強く反発していきます。
白も下辺に悪影響を及ぼさないように、白8と利きを残さない受け方を選択するところ。
白10まで白有利な戦いに見えますが、黒の狙いは下辺の攻めなので白容易ではありません。


白12から16と手堅く守り、白は左辺か下辺の黒を攻める構図を描きます。
ただ、下辺の黒が逃げる過程で下辺の白に迫られる可能性もあり、見た目以上に難しい戦い。


黒17は左辺を守ると同時に、黒A、白18、黒Bと左下の白を取りにいく意図があります。
白18の受けが相場ですが、黒19まで左辺と下辺を守れたので黒悪くない戦いとなりました。
下辺を取られないよう、白22から24と補強するも右下と下辺の黒が固まるので黒十分です。
黒は主導権を握りましたが、於之瑩六段の追い上げを耐えきれず4目半負けを喫した。
結果、白4目半勝ち。


【参考図:白の意図】
黒2には白3と受けるのがAlphaGoZeroが示す受け方です。
人間的には黒4と左下隅に入れば黒の実利が大きく、黒悪くないワカレに見えますが・・・。


白5と押さえ込むのは当然の一手。
黒6、8で地を稼がれますが、白9から11で厚い形を築けるのが白の自慢です。
一見すると、黒Aのアテが気になるところですが・・・。


黒12とアテられても、白13とコウに弾いて白戦えます。
白15のコウ材があるため、白17と抜き返された時に黒のコウ材が続きません。
白はAとBを見合いにできるので白不満ないワカレでしょう。

「編集後記」
最近は新しい手法が増えており、従来の常識を越えた発想で戦う姿勢が求められています。
一番怖いことは「常識に縛られて選択肢が限定されてしまう」ことなのです。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする