第8回中国姜堰黄竜士精鍛科技杯世界女子団体戦ー6日目

6月6日に中国で「第8回中国姜堰黄竜士精鍛科技杯世界女子団体戦」の6日目が行われた。
日本の藤沢里菜四段は中国の周泓余三段に持ち味の手厚さを発揮し、盤石な勝利を収める。
しかし、続く韓国の崔精九段戦では終始苦しい戦いを強いられ、無念の敗退となった。
以下に本日の結果と戦況をまとめたので参照ください。(左側が勝者)

【6月6日(火):10、11回戦結果】
<第10戦>藤沢里菜四段(日)ー周泓余三段(中)
<第11戦>崔精九段(韓)ー藤沢里菜四段(日)

【日本】謝依旻六段藤沢里菜四段(1勝)王景怡三段牛栄子二段(1勝)上野愛咲美二段
【中国】於之瑩六段・芮乃偉九段・李赫五段(5連勝)・王晨星五段・周泓余三段(1勝)
【韓国】崔精九段(1勝)呉侑珍五段(2連勝)呉政娥三段金多瑛三段金美里三段

ここ数年、日本は3位が続いており、世界戦で成績が出せていない現実がある。
ただ、呉清源杯謝依旻六段と上野二段が8強に残っており、実力差は大きくないはずだ。
今回は残念な結果となったが、次回以降の活躍を期待して陰ながら応援していきたいと思う。
さて、対局を振り返っていきます。


【実戦譜:三々布石特有の呼吸】
黒番が崔精九段、白番が藤沢里菜四段です。
黒1の三々入りは今では常識的になりつつある打ち方の一つ。
相手の出方を見て、黒A~Cなどを決めることで最善に近い石運びを目指す意図があります。
白は受け方一つで序盤の優劣が大きく動くので、見た目以上に悩ましいところです。


左下に白が構えているのを背景に、白2から6と左辺方向に厚みを築くのは自然な着想です。
勢い左辺に白陣を築きたいが、左下が中途半端な状態なので次の一手が悩ましいところ。
最近は白Aと三々に受けて地に辛く受けるのが主流で、現局面でも有力だったようです。


白8は左辺を重視しながら左下隅を受ける手だが、欲張り過ぎだったようだ。
黒9、11とサバキを目指すのが機敏で白が地に甘い展開となります。


白12から黒21まで、厚みと実利のワカレになるのが相場です。
しかし、△の配置が狭い上、黒Aなど荒らす手段があり白の厚みが活かしづらい碁形である。
左辺や下辺の白陣を大きくまとめるのが難しく、黒の実利が活きる展開となりました。
結果、黒中押し勝ち。


【参考図1:別案の進行】
白2から6と実戦とは逆に押さえ込むのも一策。
先手を奪ってから白8と右上の黒にプレッシャーをかけながら上辺に白陣を築く展開です。


ただし、黒9から13と右上隅を固める調子を与える意味もあり必ずしも白良しとは言い難い。
AやBと白に圧力をかける狙いがある上、Cと稼がれるのも大きく難しい展開が予想される。


【参考図2:流行の受け方】
白1と三々に受ける手が最近よく打たれている手法です。
囲碁AIが候補手として上げることが多く、非常に有力な受け方のようだ。
例えば、黒Aと動き出すなら白Bと受けて左辺を固める調子を得られる。


黒2と左辺の白地を防ぐのは自然な石運び。
白3と下辺を広げてから、白5から7と整形できるかが現局面の勝負所となりそうです。


黒はシチョウが良いので、黒8から白13まではほぼ一本道の進行。
左辺の黒にもプレッシャーがかかっているため、互角に近い戦いに見えます。

「編集後記」
最近の碁は自由自在に打つことが求められており、非常に難しい碁が多いです。
反面、以前よりも自由度が広がったことで碁の可能性が開拓されたとも言えそうです。

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