囲碁AI・ELFOpenGo対人間【第4局】

第4局は囲碁AI全般に抱えている問題が現れた一局と言えるでしょう。
高い実力を有しているにも関わらず、シチョウを読めない意外な短所があります。
実際、42手目でシチョウを間違えた瞬間、評価値がー2.5から4.8に大きく変動しました。
どうやら、長手順かつ一本道の変化を読むのが未だ苦手なようです。


【実戦譜1:三々布石の呼吸】
黒番は韓国棋士、白番はELFOpenGoです。
白6の三々入りは囲碁AIが好む手法で、人間界でも常識的な手法として多用されています。
相手の出方を見れるので、後の打ち方を自在に変化できる特徴があるのが強みです。
ただ、高度な形勢判断に精密な読みが求められる戦術で扱うのは困難と言えます。


右上隅に黒陣が控えているため、黒7と押さえるのは無難な対応策。
黒9は手番を得ることを重視した受け方で、黒は足早な展開を目指します。
白12まで、Aの傷を素直に守るのでは白の意図にハマるので、黒13など工夫したいところ。


白14から18と左下隅の実利を重視した定石を選択します。
ELFOpenGoに限らず、PhoenixGoや絶芸なども同じ形を打つので有力な受け方のようです。


黒19から白24まで、厚みと実利のワカレとなるところ。
黒25とシチョウ関係を良くしてから、黒27から29と下辺の進出を押さえ込んでいきます。
シチョウは黒良しなので、白Aの切りが無難ですがELFOpenGoは不可解な動きを見せます。


白30と厚みに傷をつけてから白32、34と手を戻します。
黒35が成立するため、下辺と右辺方向を封鎖して部分的に黒悪くないワカレに見えます。
ただ、白AやBを見た利きがあるので、全局的には白良しと判断しているのかもしれません。


【参考図1:無難な対応策】
黒1には白2の切りを入れるのが無難です。
例えば、黒3と右辺の進出を止めるなら白4、6と下辺を削れるので白十分なワカレ。
黒は右辺方向に厚い碁形ですが、右辺はまだまだ広い土地でまとめるのが難しいです。


【参考図2:何れかが削れる】
前図の変化を避けるため、黒3と下辺重視に受けるなら白4と右辺方向に進出できます。
白は下辺か右辺をわかりやすく破れるため、本図の進行の方が優れていると思います。



【実戦譜2:囲碁AI特有の弱点】
白1から5と左上の黒を攻めるまでは自然な石運びだったが、唐突に白7と逃げ出しました。
単純に黒Aでシチョウとなる形なので、丁寧に読めば誰しも白を取れることを確認できます。
囲碁AIの実力は非常に高いにも関わらず、こうした信じられないミスを犯します。


当然、黒8から10と白二子を制すところ。
白9、11の好点に先着しても、Aなどの狙いが消えているのが見た目以上に大きい損失です。
ELFOpenGoの評価値も一気に黒良しへ傾いており、ミスをはっきり認めています。


黒12から16と下辺を広げれば、人間視点では黒不満ない進行に映ります。
しかし、ELFOpenGoは黒の手が甘いと判断し、評価値がほぼ互角の値に収束していきます。
評価値の数値は正しく打ち続けられる前提なので、鵜呑みにするのは危険ということですね。
結果、黒中押し勝ち。

「編集後記」
囲碁AIは単純な死活やシチョウを間違えることがあります。
波の激しい局面では、囲碁AIの評価値が正しくない場合があるのでご注意を。

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