第23回LG杯朝鮮日報棋王戦本戦32強戦

5月28日に韓国で「第23回LG杯朝鮮日報棋王戦」の本戦32強戦が行われた。
日本から4名の棋士が出場し、一力遼八段と芝野虎丸七段が16強戦へ駒を進めた。
なお、持時間は3時間+秒読み40秒3回のコミ6目半である。
以下に本日の結果と明日の組合せをまとめたの参照ください。(左側が勝者)

【5月28日(月):32強戦の結果】
李元榮七段(韓)ー俞斌九段(中)
時越九段(中)ー崔哲瀚九段(韓)
陳祈睿五段(台)ー范蘊若六段(中)
江維傑九段(中)ー李世乭九段(韓)
朴廷桓九段(韓)ー辜梓豪九段(中)
芝野虎丸七段(日)ー唐韋星九段(中)
申眞諝九段(韓)ー范胤七段(中)
彭立嶢五段(中)ー卞相壹六段(韓)
姜東潤九段(韓)ー孟泰齡六段(中)
一力遼八段(日)ー鍾文靖六段(中)
申旻埈八段(韓)ー檀嘯九段(中)
趙晨宇六段(中)ー井山裕太九段(日)
元晟溱九段(韓)ー柯潔九段(中)
楊鼎新七段(中)ー伊田篤史八段(日)
朴永訓九段(韓)ー謝爾豪九段(中)
范廷鈺九段(中)ー金志錫九段(韓)

【5月30日(水):16強戦の組合せ】
李元榮七段(韓)ー時越九段(中)
陳祈睿五段(台)ー江維傑九段(中)
朴廷桓九段(韓)ー芝野虎丸七段(日)
申眞諝九段(韓)ー彭立嶢六段(中)
姜東潤九段(韓)ー一力遼八段(日)
申旻埈八段(韓)ー趙晨宇六段(中)
元晟溱九段(韓)ー楊鼎新七段(中)
朴永訓九段(韓)ー范廷鈺九段(中)

新鋭の芝野七段は日中竜星戦で中国の柯潔九段に勝利した次代のエースだ。
32強戦では世界戦常連の唐韋星九段に堂々の打ち回しで完勝し、世界に存在感を示した。
一力八段も井山に次ぐ棋士として期待されており、本棋戦を皮切りに飛躍してほしいところ。
さて、対局を振り返っていきます。


【実戦譜:近代的な手法】
黒番が芝野虎丸七段、白番が唐韋星九段です。
白2と地に走った瞬間、黒3と様子見するのが最近よく用いられる手法の一つ。
相手の出方を見て打ち方を変えられる利点はあるが、白を固める短所もあり使い方が難しい。
一時前では信じられない手法で、碁の進化のスピードが飛躍的に上がっている。


白4は左辺を重視した受け方。
黒Aなど左辺に石を持っていくのは価値が低いので、黒5から7と直接サバキを求めます。
現代の碁は相手の出方を見て臨機応変に立ち回る打ち方を選択する傾向にあります。


白8と穏やかに受けたので、黒9から13と上辺に転身して一段落。
部分的には左上の格好は白厚いですが、左辺の打ち方が悩ましく良い勝負のようです。
例えば、白Aなどのハサミは黒B以下符号順で下辺を占められて白不満な展開でしょう。


白も左辺方向へ石を持っていきたくないため、白14から16と地に辛く受けます。
ただ、左辺の価値が低い局面では、左下の攻め自体の価値も低く当然受けてもらえません。
左下の黒が攻められることを想定し、黒17と左辺拡大を牽制しつつ上辺を広げるのが機敏。
左下を攻めても白は大きな戦果が見込めないため、間接的に左下の助けにも働いています。
その後、芝野は中盤で才気あふれる打ち回しを見せ、1回戦を突破しました。
結果、黒中押し勝ち。


【参考図:配石が活きる】
白2と反発するのがよく打たれる受け方です。
部分的には黒3、5とサバキを求める形しかないので、ここまでは一本道です。


白6と強く追及するのも当然の態度。
白10まで、黒は左下隅を固めただけで大した利益がないように見えますが・・・。


黒11と様子見するのが好手。
白12と地に辛く受けるところですが、黒13から17と白を分断すれば黒悪くない戦い。
▲が左辺の補強に働いており、これは黒の意図する進行と言えるでしょう。

「編集後記」
最近の碁はシンプルなように見えて、水面下では激しい戦いが起こっています。
「究極の一手は簡明である」と呉清源氏が言っていたのを思い出されます。

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