第1回呉清源杯世界女子囲碁選手権ー五日目

5月1日に中国・福州で「第1回呉清源杯世界女子囲碁選手権」の準決勝が行われた。
韓国の崔精九段と金彩瑛三段が勝ち上がり、韓国棋士同士の決勝三番勝負となった。
なお、決勝戦は7月22日から27日に中国・福州で行われる予定だ。
本日の結果を以下にまとめたので参照ください。(左側が勝者)

【5月1日(火):本戦準決勝結果】
崔精九段(韓)ー李赫五段(中)
金彩瑛三段(韓)ー於之瑩六段(中)

今回は決勝戦に勝ち進んだ両者のコメントを紹介していく。
金彩瑛三段「世界戦決勝に進出は初めて。崔精九段とは8連敗中ですが、幸いにも(決勝まで)時間があるので準備していきたい」
崔精九段「(金彩瑛三段との)過去の成績は良いですが、それは過去のことです。現在の彼女は勢いがあります。決勝戦は全力を尽くして臨みたい」

互いに手の内を知っている同士の対決、どういった戦いを見せるのか注目していきたい。
さて、対局を振り返っていきます。


【実戦譜1:囲碁AIの研究】
黒番が李赫五段、白番は崔精九段です。
白3と黒4を交換してから白5と左下に回るのはAlphaGoTeachが示す戦術の一つ。
確かに、右下の白を厳しく攻め続けるのは難しく、大場に先着できた白の利が大きそうです。
二日目では金彩瑛三段も用いており、韓国では有名な戦術になっているのかもしれません。


白の手抜きを咎めるため、黒6と右下の白にプレッシャーをかけていきます。
しかし、白7から13と頭を出されると下辺の黒が孤立するため、黒の攻めが繋がりません。
右下の黒陣は固まりますが、下辺が大きく飲まれる可能性もあり黒物足りないワカレです。
本局は崔精九段が終始リードを保持し、盤石の勝利を収めました。
結果、白中押し勝ち。



【実戦譜2:柔軟な石運び】
黒番が於之瑩六段、白番が金彩瑛三段です。
黒1の両カカリに白2、4と応じるのが無難な受け方です。
黒5は左上の根拠を脅かしながら、実利を稼ぐ現代的な打ち方の一つ。
黒9まで、Aの傷を横目に上辺が膨らみそうですが、金彩瑛三段は軽快な石運びを見せます。


白10から14と強気に上辺を制限するのが好判断でした。
黒15と冷静に受けられた際、AやBの傷残りで白の借金が残る局面に見えますが・・・。


白16から20と右上の傷を突くのが面白い石運び。
右上の黒を厳しく攻めるよりも、AやBの傷を補強する調子を求めた意味が強いです。


黒21から25と右上一帯の黒を守るのが相場です。
ただし、上辺の黒が薄い格好なので、黒から中央の薄みを突きづらい碁形となっています。
黒27と互いの根拠に関わる地点を占めた瞬間、白28と中央を補強するのが機敏でした。
黒Aの切りが厳しく見えますが、白はうまい返し技を用意していました。


黒29、31と切られても、白32から34で見た目以上に粘りの利く格好となっています。
一見すると、黒Aと急所を突かれて取られの形に見えますが・・・。


黒37、39と急所を突かれても、白40が利くので白42と粘ることができます。
左上の切断は有力な狙いではありますが、すぐに決行しても黒はうまくいかないようです。


黒43、45と追及すれば、白46に黒AまたはBで黒不利な一手ヨセコウに持ち込めます。
しかし、黒は左上に手をたくさんかけており、仮に取れても形勢は白良しになるでしょう。
△と中央を補強した白の得が大きい上、全局的に黒が薄い碁形となっているので白優勢です。
結果、白半目勝ち。


【参考図:死活の確認】
黒1のホウリ込みには白2の返し技があるため白生きてしまいます。
本図の攻め方が使えないため、黒1ではAやBとダメを詰めるしかないのが黒の泣き所。

「編集後記」
最近、世界全体の女流棋士のレベルが上がっており、非常に参考になる棋譜が多いです。
今では囲碁AIで研究ができる環境があるので、男女の差は将来的になくなりそうです。

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