第1回呉清源杯世界女子囲碁選手権ー二日目

4月27日に中国・福州で「第1回呉清源杯世界女子囲碁選手権」の1回戦が行われた。
日本は上野愛咲美二段と牛栄子二段の2名が出場し、上野二段が2回戦に駒を進めた。
明日の2回戦にはシードの謝依旻六段と藤沢里菜四段も参戦する予定だ。
本日の結果と明日の組合せを以下にまとめたので参照ください。(左側が勝者)

【4月27日(金):本戦1回戦結果】
尹渠二段(中)ー豊雲九段(北米)
李赫五段(中)ー楊子萱二段(台)
張璇八段(中)ーRita Pocsaiアマ(欧)
呉政娥三段(韓)ー郭鵑五段(欧)
金彩瑛三段(韓)ー牛栄子二段(日)
於之瑩六段(中)ー殷明明初段(北米)
陸敏全四段(中)ーManja Marzアマ(欧)
上野愛咲美二段(日)ー余瑾アマ(北米)

【4月28日(土):本戦2回戦組合せ】
崔精九段(韓)ー尹渠二段(中)
李赫五段(中)ー黒嘉嘉七段(台)
謝依旻六段(日)ー張璇八段(中)
金彩瑛三段(韓)ー高星四段(中)
呉政娥三段(韓)ー王晨星五段(中)
於之瑩六段(中)ー呉侑珍五段(韓)
藤沢里菜四段(日)ー陸敏全四段(中)
上野愛咲美二段(日)ー芮廼偉九段(中)

近年、女流棋士のレベルが急激に向上しており、男性棋士との差がほとんどなくなっている。
2回戦の顔ぶれを見ても、世界戦で活躍している棋士が大半を占めている戦況である。
世界の壁は厚いが日本の3名にはこの壁を越えて、日本の存在感を示してほしいところだ。
さて、対局を振り返っていきます。


【実戦譜:柔軟な序盤戦】
黒番が金彩瑛三段、白番が牛栄子二段です。
左上の黒に手を戻さず、黒5と大場に先着するのが面白い打ち回し。
相手の出方を聞いてから、AやBを使い分けようとする意図があります。
最近はこうした水面下の戦いが主流となり、以前よりも碁の質が大きく変わっています。


実戦は白6、8と左下の黒を追及する展開を選択。
左下の攻めによって左辺と下辺を固めた後、左上の攻めに先着する意図があります。


黒9から15と左下隅を収まるのが手堅い石運びでした。
白Aと左下を補強するのは、黒Bと左辺の白を攻められて白望ましくない展開なので・・・。


白16と左上の黒にプレッシャーをかけながら、左辺の打ち込みを牽制していきます。
当然、黒17と下辺の白が窮屈な格好を強いられますが、構わず白18と大場に入るのが面白い。
黒19で効果的にシノギを図るのが難しく見えますが、牛二段は柔軟に対応していきます。


通常、白20から22と露骨に補強するのは、黒23と外回りを厚くされて白悪い打ち方。
しかし、白24と黒の厚みを相殺できるので、バランス良く打ち回せていると言えそうです。


下辺の厚い構えを背景に、黒25とハサむのが厳しい着想。
白は下辺を割るのは危険なので、白26から30と収まるのが相場です。
下辺の黒陣を低位置に制限できましたが、黒31に先着されたので互角に近い形勢のようです。


白32から38と封鎖するのは手厚い定石選択。
しかし、黒39と上辺を占められながらAの傷を強調されるので若干黒良しかもしれません。
最近の碁は相手の意図を崩すため互いに反発する碁が多く、難しい内容の碁が増えています。
結果、黒1目半勝ち。

「編集後記」
1回戦は大方予想通りの結果となった気がします。
北米や欧州の選手も相当力をつけていますが、アジア圏の棋士とは大きな差があるようです。
しかし、ネット対局や囲碁AIで強くなれる環境があり、状況が一変するかもしれません。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする