序盤早々の三々戦術ー基本編(5)

今回は三々戦術に対する新常識を紹介していきます。
ここ数年で三々の定石が飛躍的に進歩し、全局的な打ち方が大きく変わりつつあります。
碁の打ち方が数週間単位で進化しているので、流行形を追うことは必須と言えるでしょう。
ただ、追い続けるのは非常に大変なため、本ブログがその一端を担えれば幸いです。


【テーマ図:対三々戦術の受け方】

黒3、5は右下隅を固めるより、右上の三々入りを牽制する意図があります。
素直に白6の三々入りを選択した場合、黒はどのような対抗策があるか解説します。
今回の考え方は応用範囲が広く、三々に入る側も十分注意しなければなりません。


上辺に黒石はないですが、黒7から9と押さえるのが新常識の打ち方です。
白12まで、厚みを築く方向が逆に見えて、黒悪そうな印象を覚えますが・・・。


黒13と白14を交換した後、黒15の切りを入れるのが強手です。
白に変化の余地を与えず、右辺の進出を強引に止める意図があります。


白16と穏やかに受けるなら、黒17から19と右辺を厚くして黒十分な戦果。
黒石が二線まで来ているので、白Aと打ち込まれても強く戦えるのが黒の自慢です。
あえて相手の石を近づかせることで、右辺の黒陣をより厚くする斬新な発想です。


【参考図1:配石が活きる】
白2と外周の傷を突くのも考えられます。
しかし、黒5から7と白を攻めながら上辺と右辺の黒陣を固められるので黒不満のない展開。
右下に黒が控えているため、白は強く反撃するチャンスがないのが泣き所です。



【参考図2:白の反発】
前図の変化では黒の意図にはまるので、白2と反発するのが一策です。
次に黒Aのシボリが見えて、少し打ちづらいように見えますが・・・。


黒3、5のシボリを決めてから、黒7と白一子を抱えて右辺方向を厚くします。
白8と外周に傷を残して、白10と右上を守るまではほぼ一本道の変化です。
黒Aと白を制せないため悩ましい局面に見えますが、黒は傷を守る好手があります。


黒11と△の動き出しを封じるのが好手です。
下辺に黒陣を築かれないよう、白12と大場に走るなら黒13、15と模様を広げて黒十分。
右上の格好が見た目以上に厚く、右辺の黒陣が深くなっているのが黒の長所です。


【参考図3:抵抗への対処法】
シチョウが白良しの局面なので、白2から4と動き出す変化があります。
黒三子を助けるのは難しいですが、柔軟に対応すれば難なく黒良しになります。


黒5、7と三子を捨て石に外回りを厚くするのが明るい発想。
白8と取られますが、黒9から11と右下一帯に模様を築ければ黒優勢です。



【参考図4:変化の余地】
黒Aの切りを決めずに黒3と二段バネで止めるのも考えられます。
ただ、白にいくつか選択肢を与えるため、基本的にはオススメできない打ち方です。


白4と黒5を交換してから、白6から8と右辺に進出する打ち方があります。
黒Aが成立しないので、右辺の発展性を大きく削がれて黒良くない展開です。
※局面次第では黒良くなるので、臨機応変に近い分けてください。


【参考図5:無難なワカレ】
現局面では、白1の切りに黒2と傷を守るのが相場。
白3のノビを許しますが、黒4から6と下辺に回ればこれからの碁と言えそうです。
参考図2と比べて、右上の黒が寄り付かれる可能性が残っているのが難点です。



【参考図6:配石の活用】
白1と工夫するのはやり過ぎです。
右下に黒が控えているので、黒2から4と強く受けられて右辺の進出を止められます。


白5、7と傷をつけてから白9と手を戻すのは一本道の手順。
しかし、黒12まで外周は黒一色なので白は強く反発することができず白失敗です。
三々の定石は周辺の配石次第で最悪の結果となる場合もあるのでご注意を。



【参考図7:従来の考え方】
黒2から6と右辺方向を広げるのが従来の考え方でした。
黒10まで、黒の勢力圏が大きく見えますが、AやBと荒らす余地が多いのが難点です。
大きく広げるとそれだけ隙も生まれるので、効率良い模様を形成する必要があります。

「編集後記」
今回は対三々戦術の対抗策を紹介していきました。
単純に三々へ入るだけで優勢を築けるほど甘くないことが伝われば幸いです。
また、序盤で考えるべき点が多いため、ある程度研究する必要があるでしょう。

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コメント

  1. ちゅーせい より:

    とても勉強になる記事ばかりで驚きです!更新楽しみにしています。

  2. okao より:

    ありがとうございます!
    できるだけ参考になる記事が作れるよう、心がけていきますっ

  3. とねぽん より:

    目から鱗とはまさにこのサイトのことです
    更新を楽しみにしています

    • okao より:

      お仕事の都合により、詰碁など軽い記事になる場合もありますが、知っておくと得する情報を中心にまとめていきたいと思います。