布石の基本(6)【厚みの活用2】

級位者や有段者は厚みを模様に役立てる打ち方を好む傾向にあるようです。
しかし、強くなればなるほど、厚みは攻めに活用する打ち方に移行していきます。
理由の一つは攻めの調子で地を作る方が、石の効率が良くなると考えられているからです。
ただし、どちらも長所短所があるので臨機応変に使い分ける必要があるでしょう。


【テーマ図(黒番):選択の岐路】
右上のカカリに黒がどう応じるかが本題のテーマです。
黒は右下に厚い形が控えているので、配石を活用した定石選択をしたいところ。
厚みを模様拡大に活用するのか、攻めに役立てるのか、後の進行を想定して選んでください。


黒1、3と右辺の白を攻めるのが正しい選択です。
白4で右辺を治まりながら厚みの働きを削がれた格好に見えますが・・・。


黒5、7と上からプレッシャーをかけるのが好手。
右下に厚みが控えているため、見た目以上に右辺の白は強くない形です。


白8から12と右辺を補強するなら、黒13と上辺の模様が広がるので黒十分な戦果です。
このように、厚みを攻めに活用することで未開拓の地に自陣を敷くことができます。


【参考図:単調な模様拡大】
黒1のハサミは白2から10と右上隅に入られて黒イマイチ。
AやBの味が残っているだけでなく、右辺の模様を広げるのが見た目以上に難しいです。


黒11から15と模様を広げても、白16と軽く消されて黒苦しい形勢です。
黒Aで右辺を囲えますが、白は実利を先行しており黒追い付くのは困難でしょう。
模様を広げる単調な碁では、中々勝機を掴むことはできません。

「編集後記」
グロービス杯は日本勢が本戦出場できない残念な結果となってしまいました。
若手層も強くなっているはずですが、もう一歩も届かない現状のようです。

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コメント

  1. キクヤン より:

    >若手層も強くなっているはずですが、
    それ以上に中韓のほうも強くなっていると言うことでしょうね。
    プロ棋士は5~6才から初めて10年程で一人前になるようですから、日本も世界に通用する棋士は幼児教育から初めないと出て来ないのでは無いでしょうか。
    今の若手を強化と言っても伸びしろはそれ程期待できないのが冷たいですが現実だと思います。

    • okao より:

      今は囲碁AIを活用して強くなれる環境があるので、これからは世界の傾向も変わってくるかもしれません。いつか、日本棋士が世界戦優勝できる未来を期待して、温かく見守っていきたいと思っています。