第8回中国姜堰黄竜士精鍛科技杯世界女子団体戦ー4日目

4月12日に中国で「第8回中国姜堰黄竜士精鍛科技杯世界女子団体戦」の四日目が行われた。
中国の李赫五段は日本の王景怡三段に勝利したが、韓国の呉侑珍五段に敗れ連勝が止まった。
第1ラウンドは中国が大きく差を広げて、優勝に大きく近づく結果となった。
以下に本日の結果と戦況をまとめたので参照ください。(左側が勝者)

【4月12日(木):6、7回戦結果】
<第6戦>李赫五段(中)ー王景怡三段(日)
<第7戦>呉侑珍五段(韓)ー李赫五段(中)

【日本】謝依旻六段・藤沢里菜三段・王景怡三段牛栄子二段(1勝)・上野愛咲美二段
【中国】於之瑩六段・芮乃偉九段・李赫五段(5連勝)・王晨星五段・周泓余三段
【韓国】崔精九段・呉侑珍五段(1勝)呉政娥三段金多瑛三段金美里三段

於之瑩六段や崔精九段は世界戦ベスト16入りなど、世界の女流棋士のレベルが上がっている。
碁の内容を見ても最新形を取り入れている棋士が多く、男女の差がほとんどない状況である。
世界の壁はまだまだ厚く、日本の世界戦優勝が遠のいているようにも感じる。
さて、対局を振り返っていきます。


【実戦譜1:進化する序盤戦】
黒番が李赫五段、白番が王景怡三段です。
黒1、3と下辺の白陣を制限した後、黒5の三々入りに先着するのが主流。
左下の厚みは相手の模様と厚みを制限するのに役立てるのが現代的な発想です。
部分的には易しい手の組合せですが、大局観が試される戦術なので扱うのが非常に難しい。


左辺に黒陣を築かれないよう、白6と押さえるのは当然の態度。
黒11まで、左下に厚みが控えているので黒Aが狙われており、白は傷を守る必要があります。


白12、14と黒を封鎖しながら整形するのが最近よく打たれる後続手段。
次に白Aのシボリが見られているので、黒は左上隅を守るのが無難です。


黒15の受けが相場です。
白16で左方への進出を止められても、黒17から21と外周の傷をつけて黒十分な展開。
白はAとBを同時に守ることができないため、何れかは諦めるしかありません。


白22と上辺の補強を優先します。
黒23と左辺の白に迫られても、白24から30と応じれば取られる心配はありません。
しかし、全局的に黒厚い碁形となるため、AやBなどの薄みが目立つ局面となります。
三々の手法は地を稼ぐだけでなく、外回りの傷を突く攻撃的な一面があるのも魅力です。
結果、黒中押し勝ち。


【参考図:足早な展開】
外回りの傷を突かれないように、白2と受けるのは甘いです。
黒3、5と足早に展開されると左上の厚みを活かすのが難しく、白不満な展開です。
例えば、白Aと大きく構えるのは黒Bと割られて、白の方が怖い戦いに引き込まれます。



【実戦譜2:大胆な序盤戦】
黒番は李赫五段、白番は呉侑珍五段です。
黒1に受けず、白2と三々入りを優先するのは珍しくない手法となりました。
黒もAやBと応じると先に自身の出方を示してしまうので、黒3と反発していきます。
相手の出方を見てから動く方がより良い石運びができるため、互いに様子を見ています。


左上の白に手を戻すのが無難ですが、実戦は白4と反発する進行を選択します。
黒も白の手抜きを咎めるため、黒5から7と左上隅を制すのが気合の進行です。
しかし、左上隅はAやBの味があり若干白良いワカレかもしれません。
最近の碁は自分の出方を示さずに反発し合う傾向が強いです。
結果、白2目半勝ち。

「編集後記」
囲碁AIの影響により、碁の打ち方や発想が大きく変化しています。
劇的に進化し続ける流行を追うのは大変ですが、上を目指す上では避けられない道です。
本ブログで少しでも流行する発想や定石の考え方が伝われば幸いです。

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