第8回中国姜堰黄竜士精鍛科技杯世界女子団体戦ー2日目

4月10日に中国で「第8回中国姜堰黄竜士精鍛科技杯世界女子団体戦」の二日目が行われた。
中国の李赫五段は韓国の金美里三段と日本の謝依旻六段に勝利し、無傷の3連勝を果たした。
本棋戦は連勝が止まりづらいジンクスがあり、李赫五段が一騎当千する可能性も否めない。
以下に本日の結果と戦況をまとめたので参照ください。(左側が勝者)

【4月10日(火):3、4回戦結果】
<第3戦>李赫五段(中)ー金美里三段(韓)
<第4戦>李赫五段(中)ー謝依旻六段(日)

【日本】謝依旻六段・藤沢里菜三段・王景怡三段・牛栄子二段(1勝)・上野愛咲美二段
【中国】於之瑩六段・芮乃偉九段・李赫五段(3連勝)・王晨星五段・周泓余三段
【韓国】崔精九段・呉侑珍五段・呉政娥三段・金多瑛三段・金美里三段

本棋戦で連勝する姿を見るのは珍しくなく、勝負の流れを止められるかが重要なポイントだ。
優勝するチームは何れも大きな連勝を記録して、他チームを寄せ付けない結果を残している。
日本も優勝戦線に残るためにも、大きく勝ち越す棋士が現れなければならないようだ。
さて、対局を振り返っていきます。


【実戦譜1:水面下の攻防】
黒番が李赫五段、白番が金美里三段です。
右下に黒が控えているので、黒2とハサむのも有力です。
白3から9まで定石の手順を辿った後、Aの断点を守らず大場に回る実戦例が増えています。
相手の出方を見てから形を決める方が、最善に近い守り方を選べると考えられるからです。


黒10、12と大場に先着して相手の出方を見るのが、最近の碁でよく用いられる発想です。
相手の対応次第でA~Cの決め方を変えようとする意図があり、白容易ではありません。


白13から21と左辺を厚くする定石を選択しました。
上辺は黒Aが残る場なので、黒22と右辺を重視する受け方を選ぶのが自然な一手となります。
白Bと守れば無難ですが、上辺の価値が低くなっているので工夫した打ち回しを見せます。


白23、25は先手を取ろうとする意図があります。
仮に黒Aと受けるなら、Bの断点を横目に右辺を仕掛けようとする構想があります。
白の狙いを防ぐため、黒26と手を戻すのが相場で右辺を厚くするのを優先していきます。
白も右辺の黒陣拡大を防ぐべく、白27から31と右辺を割っていい加減なワカレとなりました。
現代の序盤戦はここまで考えて互角の形勢となるため、水面下の戦いが激しくなっています。
結果、黒中押し勝ち。



【実戦譜2:新手法の攻防】
黒番が謝依旻六段、白番が李赫五段です。
白1のツケが囲碁AI発の新手法で、最近よく打たれるようになりました。
単に黒Aと受けるのは利かされなので、黒は強く反発したいところです。


黒2に白3と露骨に形を決める手法を選択します。
白9まで右上隅の黒陣はへこみますが、黒10が厳しいと謝依旻六段は判断したようです。


白11、13と石の調子で補強するのがサバキ手筋。
黒14と逃げ出されて大損に見えますが、白15から17でAとBを見合いにして整形できます。


黒18と手を戻すのが相場で、白19と上辺を補強して一段落です。
右上隅は無駄のない形に見えますが、黒が二手多い場だったのでそこまで得してません。
むしろ、AやBの味が残っているので上辺が攻めにくく、右辺も荒らされやすい場です。
もちろん、大きな差がついている訳ではないですが、白若干打ちやすく見えます。
結果、白中押し勝ち。


【参考図1:無難な進行】
白1に黒2と受けるのは若干利かされに見えます。
後に白A以下符号順の狙いなどを見られており、右辺を黒地にしづらい碁形となっています。右上の交換が白良しに働くと見られる傾向で、穏やかに受ける実戦例が減っています。


【参考図2:競り合い】
黒1に白2と石の調子を求めるのも考えられる局面でした。
黒3、5の反発が厳しいように見えますが・・・。


白6から12と力強く分断する進行も有力でした。
ただし、黒は上辺と右上の白を狙える格好なので力戦模様となり、もつれ易い碁形です。
実戦は穏やかな進行を目指し、コミの負担が重くなる展開に導こうとしたようです。

「編集後記」
最近は気絶するように眠ることが多く、若干春バテ気味なのかもしれません。
皆さんも体の疲れがある場合、バテている可能性があるのでご注意を。

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