第23回LG杯朝鮮日報棋王戦統合予選3回戦

4月5日に韓国で「第23回LG杯朝鮮日報棋王戦」の統合予選3回戦が行われた。
多くの棋士が姿を消す中、世界戦常連棋士は順当に勝ち上がる結果となっている。
340名が参加する大規模な予選であっても、番狂わせが起きるのは稀なようだ。
以下に3回戦の結果をまとめたので参照ください。(左側が勝者)

【4月5日(木):3回戦結果】
参加棋士増減:日本6名→3名、韓国63名→28名、中国55名→32名、台湾4名→1名
<A組>
呉侑珍五段(韓)ー王碩四段(中)
時越九段(中)ー林君諺七段(台)
朴進率八段(韓)ー趙鏡鎬五段(韓)
李宰成アマ(韓)ー李聖宰九段(韓)
<B組>
白洪淅九段(韓)ー甘思陽五段(中)
李元榮七段(韓)ー蕭正浩九段(台)
王昊洋六段(中)ー權周利初段(韓)
嚴在明四段(中)ー金宣圻初段(韓)
<C組>
卞相壹七段(韓)ー金燦佑六段(韓)
丁浩五段(中)ー連笑九段(中)
李炫準初段(韓)ー崔珪昞九段(韓)
郭圓根アマ(韓)ー洪茂鎭三段(韓)
<D組>
姜昌培三段(韓)ー戎毅五段(中)
鍾文靖六段(中)ー楊一四段(中)
曹又尹三段(中)ー崔暎讚二段(韓)
姜昇旼五段(韓)ー安國鉉八段(韓)
<E組>
陳耀燁九段(中)ー崔原踊七段(韓)
李春揆六段(韓)ー崔宰榮三段(韓)
朴永訓九段(韓)ー陳浩六段(中)
嚴歡六段(中)ー韓尚勳八段(韓)
<F組>
陶欣然六段(中)ー金旻奭初段(韓)
宋彗領二段(韓)ー佐田篤史三段(日)
鄭胥四段(中)ー黃鎭亨三段(韓)
楊鼎新六段(中)ー廖元赫六段(中)
<G組>

謝科五段(中)ー何暘三段(中)
鄭誓儁初段(韓)ー伊凌濤五段(中)
范胤七段(中)ー趙寅善四段(韓)
文鐘皓初段(韓)ー陳翰祺二段(中)
<H組>
彭立嶢五段(中)ー張強四段(中)
崔明勳九段(韓)ー金旻碩アマ(韓)
韓一洲七段(中)ー李元道六段(中)
洪性志九段(韓)ー梁寓哲三段(韓)
<I組>
簡靖庭三段(台)ー李小溪二段(中)
崔哲瀚九段(韓)ー黃明宇二段(中)
柁嘉熹九段(中)ー蔡競六段(中)
鄔光亞六段(中)ー馬光子四段(中)
<J組>
朴材根二段(韓)ー大西研也三段(日)
全瑛圭六段(韓)ー許瑞玹初段(韓)
唐韋星九段(中)ー劉曦五段(中)
童夢成六段(中)ー安正己四段(韓)
<K組>
洪旼杓九段(韓)ー六浦雄太七段(日)
周睿羊九段(中)ー劉星七段(中)
俞斌九段(中)ー金昇宰七段(韓)
黃昕四段(中)ー李昌錫四段(韓)
<L組>
申旻埈七段(韓)ー李維清五段(中)
范蘊若六段(中)ー朴鎭鍈二段(韓)
沼舘沙輝哉六段(日)ー沈海率アマ(韓)
秋山次郎九段(日)ー劉宇航二段(中)
<M組>
江維杰九段(中)ー康又赫二段(韓)
李庭宇九段(韓)ー芮乃偉九段(中)
曹瀟陽五段(中)ー崔精九段(韓)
魏太雄二段(韓)ー王晨星五段(中)
<N組>
宋知勳三段(韓)ー曺承亞初段(韓)
羋昱廷九段(中)ー胡鈺涵四段(中)
首藤瞬七段(日)ー朴泰姬二段(韓)
趙晨宇六段(中)ー黃奕中七段(中)
<O組>
趙漢乘九段(韓)ー朴硬根五段(韓)
孟泰齡六段(中)ー許皓鋐五段(台)
金眞輝三段(韓)ー金希洙初段(韓)
丁世雄四段(中)ー張濤六段(中)
<P組>
朴炫洙二段(韓)ー崔元貞アマ(韓)
沈沛然三段(中)ー睦鎭碩九段(韓)
陳玉儂四段(中)ー朴珉奎五段(韓)
范廷鈺九段(中)ー朴時烈六段(韓)

日本勢は沼舘沙輝哉六段、秋山次郎九段、首藤瞬七段が統合予選準決勝に駒を進めた。
L組は日本同士の対決なったが、決勝進出が約束されたので予選枠抜けの希望が繋がった。
ここ数年の結果を鑑みれば相当善戦しており、明日からの活躍に期待が膨らむ結果となった。
さて、対局を振り返っていきます。


【実戦譜:コウの攻防戦】
黒番が王碩四段、白番が呉侑珍五段です。
黒1の三々入りは現代碁の定番となった手法の一つ。
左下に白が控えているので、白2と押さえるのは方向違いに見えるかもしれません。
しかし、黒7以降に白の狙いがあり、本局は激しい攻防に発展していきます。


白8から12と封鎖するのが白の意図する進行です。
続いて、黒Aと抜くのは白Bと厚くされて、左辺か上辺に模様を築かれそうなので・・・。


黒13の切りは左上を守る前に白の厚みに傷をつける意図。
白14が最近研究され始めた手で、左上の黒を睨まれているため黒容易でない局面です。
黒15に白AやBとすぐにコウを仕掛けるのは準備不足なので、白16とコウ材作りに回ります。


黒17、19と堅実に受けますが、白Aのコウ材が用意できたので白20と仕掛けていきます。
白は右下に無数のコウ材があり、黒はコウ争いを無傷で勝てない碁形となりました。
こうした局面では、黒は白に損する手を多く打たせてからコウを解消するのが基本方針です。


白22、24とコウを抜き返した瞬間、黒はコウが続かないため黒25と受けるところ。
白は右下にコウ材があることを背景に、白26と更に追及するのが厳しい追及でした。


白28に受けていては左上のコウ争いを勝てないため、黒29と解消する一手です。
白は右下の黒を制しながら、白32と攻めに先着できたので白十分な碁形と言えるでしょう。
白Aと左上のサバキを横目に上辺を割る狙いも強烈で、見た目ほど黒良くないようです。
現代碁は大局観を重視する傾向にあり、今まで以上に柔軟な対応が求められます。
結果、白2目半勝ち。


【参考図:無難な対応】
黒1の切りに白2とツグのは無難な対応です。
しかし、黒3と左上隅を補強された時、白Aと種石が取れないので外回りに嫌味が残ります。
傷が残る形になるなら、左上を捨てて他で得しようと考えたのが実戦進行の発想です。

「編集後記」
従来の視野なら6×6や7×7の領域を「部分」と見て、19×19を「全局」と見ていました。
現代は19×19を「部分」として捉えて、盤面全体の流れをより深く想定する必要があります。
この話は非常に難しい内容なので、機会があるときに記事でまとめようと思います。

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