第23回LG杯朝鮮日報棋王戦統合予選1回戦

4月2日に韓国で「第23回LG杯朝鮮日報棋王戦」の統合予選1回戦が行われた。
総勢340名の日中韓台の棋士が参加し、本戦入り16枠をかけて争う厳しい統合予選だ。
日本は30名、韓国は200名、中国は87名、台湾は23名参加している。
以下に1回戦の結果をまとめたので参照ください。(左側が勝者)

【4月2日(月):1回戦結果】
参加棋士増減:日本30名→21名、韓国200名→145名、中国87名→77名、台湾23名→17名
<A組>
呉侑珍五段(韓)ー朴永龍四段(韓)
王碩四段(中)ー楊潤東三段(中)
林君諺七段(台)ー楊博崴六段(台)
朴進率八段(韓)ーMariya初段(韓)
趙鏡鎬五段(韓)ー李炯珍四段(韓)
<B組>
甘思陽五段(中)ー裵俊熙五段(韓)
蕭正浩九段(台)ー鶴田和志五段(日)
權周利初段(韓)ー李裕眞初段(韓)
金宣圻初段(韓)ー姜智洙初段(韓)
<C組>
洪基杓八段(韓)ー金世賢アマ(韓)
林士勛六段(台)ー金燦佑六段(韓)
丁浩五段(中)ー陳豪鑫三段(中)
李赫五段(中)ー尹顯斌初段(韓)
李勇秀八段(韓)ー黃世元二段(台)
<D組>
姜昌培三段(韓)ー白昕卉初段(台)
戎毅五段(中)ー張健賢三段(韓)
鍾文靖六段(中)ー牛詩特初段(台)
崔暎讚二段(韓)ー尹閔重初段(韓)
安國鉉八段(韓)ー金東佑初段(韓)
<E組>
村川大介八段(日)ー金起用八段
陳耀燁九段(中)ー陳詩淵九段(台)
李春揆六段(韓)ー權孝珍初段(韓)
陳浩六段(中)ー李熙星九段(韓)
金大輝アマ(韓)ー徐武祥八段(韓)
<F組>
金旻奭初段(韓)ー金基憲七段(韓)
陶欣然六段(中)ー朱亨煜七段(韓)
宋彗領二段(韓)ー呉政娥三段(韓)
黃鎭亨三段(韓)ー金旼奎初段(韓)
李志賢六段(韓)ー陳劭全初段(台)
汪濤六段(中)ー大川拓也初段(日)
<G組>

何暘三段(中)ー長徳徹志初段(日)
謝科五段(中)ー林立祥七段(台)
薛冠華三段(中)ー姜多情初段(韓)
趙寅善四段(韓)ー許進三段(韓)
范胤七段(中)ー李昌鎬九段(韓)
上野愛咲美二段(日)ー夏晨琨六段(中)
<H組>
郭聞潮五段(中)ー宋圭相二段(韓)
林彥丞二段(台)ー久保秀夫七段(日)
金旻碩アマ(韓)ー鄭大相九段(韓)
韓一洲七段(中)ー李欽誠九段(中)
梁寓哲三段(韓)ー広瀬優一二段(日)
<I組>
西健伸二段(日)ー李英信五段(韓)
簡靖庭三段(台)ー成家業初段(中)
金成進四段(韓)ー朴鐘勳三段(韓)
小松英樹九段(日)ー朴正洙初段(韓)
馬光子四段(中)ー宋泰坤九段(韓)
<J組>
志田達哉七段(日)ー金榮三九段(韓)
朴材根二段(韓)ー於之瑩六段(中)
全瑛圭六段(韓)ー張秀英九段(韓)
劉曦五段(中)ー李柱衡初段(韓)
偰玹準三段(韓)ー高星四段(中)
<K組>
六浦雄太七段(日)ー張兮領初段(韓)
洪旼杓九段(韓)ー金俊永六段(韓)
周睿羊九段(中)ー尹睿成初段(韓)
金昇宰七段(韓)ー高在熙八段(韓)
黃昕四段(中)ー徐健佑七段(韓)
<L組>
李維清五段(中)ー李相勳九段(韓)
申旻埈七段(韓)ー朴鍵昊二段(韓)
崔光戶初段(韓)ー李昊承三段(韓)
沈海率アマ(韓)ー孫根氣五段(韓)
秋山次郎九段(日)ー李玟眞八段(韓)
<M組>
康又赫初段(韓)ー田中康湧初段(日)
李映周二段(韓)ー小松大樹二段(日)
李庭宇九段(韓)ー陳首廉初段(台)
李尙憲三段(韓)ー金煥洙五段(韓)
羅玄九段(韓)ー安祚永九段(韓)
<N組>
許壯會九段(韓)ー金敏熙三段(韓)
宋知勳三段(韓)ー白大鉉九段(韓)
李維三段(台)ー金鐘秀八段(韓)
姜勳二段(韓)ー横塚力三段(日)
黃奕中七段(中)ー王星昊初段(中)
<O組>
朴硬根五段(韓)ー林書陽八段(台)
趙漢乘九段(韓)ー陳時映六段(韓)
許皓鋐五段(台)ー金顯燦四段(韓)
李軒豪七段(中)ー辻篤仁初段(日)
張濤六段(中)ー秦悅欣四段(中)
<P組>
金明訓六段(韓)ー盧奕銓二段(台)
朴炫洙二段(韓)ー李翔宇五段(中)
沈沛然三段(中)ー趙涓祐初段(韓)
韓相朝初段(韓)ー玄釉斌初段(韓)
王元均八段(台)ー金彩瑛三段(韓)
尹渠二段(中)ー宣承旼初段(韓)

1回戦に参戦した日本勢は15名中7名が2回戦へ駒を進めた。
今までの統合予選と比べてかなり善戦しており、少しずつ若手が育ってきたのかもしれない。
中でも女流棋聖を獲得した上野二段が甲級リーグ所属の夏晨琨六段に勝利したのが印象的だ。
明日、明後日に行われる2回戦でも実力を発揮し、日本の存在感を示してほしいところだ。
さて、対局を振り返っていきます。


【実戦譜:現代的なスピード感】
黒番が安祚永九段、白番が羅玄九段です。
黒1に上辺を受けず、白2と大場に走ったのが機敏でした。
下辺は広大な黒模様を張られる可能性が高く、早々に手をつけたいところだからです。


左下に黒が控えているので、黒3から5と下辺に対して厚くするのは当然の態度。
黒は右下で地を稼がれた代償に、黒13と上辺を連打して黒悪くないように見えたが・・・。


白14から18とコウに弾いて粘るのがサバキの常套手段。
上辺は黒が連打した場なので、多少地の損をしても整形できれば白悪くない展開になります。


黒は右下にコウ材がある分、黒19のコウ争いは黒に分があるように見えるところ。
白20はコウの負担を重くする意図があり、黒21のツギが無難な対応です。
しかし、白22のワリ込みが鋭い好手となり黒の厳しい追及が続きません。
黒Aは白Bと整形されて、下辺の模様を荒らしやすい碁形にされるので・・・。


黒23、25と右上の白を重くしてから、黒27と手を戻したのが安祚永九段の工夫。
しかし、白28の切りからの打ち回しが鮮やかで、黒作戦失敗であったことがわかります。


黒29に白30、32と右上を補強しながら上辺を地にするのが柔軟な対応でした。
通常は黒厚いので悪くないワカレですが、連打した場であるので物足りないところ。


黒33から41と中央を厚くするのは無難な後続手段です。
中央を厚くできれば、下辺の黒陣と連動して大きな勢力圏を築けそうですが・・・。


部分的には黒47と厚い格好を築いて黒不満ないワカレです。
しかし、白48と黒模様を消すのが絶好点となり、白の実利が活きる碁形に導かれて黒不満。
現代は大局観を重視する傾向となり、柔軟な打ち方を求められる時代となりました。
結果、白中押し勝ち。


【参考図1:黒の意図】
黒1に白2と受けるのは軽率。
黒3と右下一帯に模様を築かれて、黒の配石が活きる碁形になります。
丁寧に守るのも大切ですが、時には足早な展開も求められます。


【参考図2:地に辛いが…】
白1に黒2、4と地を稼ぐのは、白5と厚い形を許して黒良くないです。
全局的に白厚い碁形になったので、白Aなど深く踏み込まれる可能性が高くなります。
元々、上辺は黒から仕掛けた場であって、この程度の戦果では黒イマイチです。

「編集後記」
以前までは統合予選の結果は散々なものが多かっただけに今回は期待できる気がします。
ただ、各枠に世界戦入賞経験者がいるので、まだまだ越えなければならない壁があります。

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