序盤早々の三々戦術ー基本編(2)

今回は昔からよくある戦型から三々戦術を紹介していきます。
序盤から狭いところに入るため、人間的な感覚ではとてもよく見えないと思います。
しかし、厚みを厚みとして活かすのが難しく、結果的に三々を打った側が有利になるのです。


【テーマ図:盤面を狭める三々戦術】
黒1から5と下辺を攻めるのは昔からよくある実戦例の一つ。
白Aなど無難な打ち方はありますが、現代では白6と三々に入るのも考えられます。
先の展開を想定すると、意外にも黒が良くなる図が作れず白有力であることがわかります。


左下に黒が控えていることを考慮し、黒7から9と押さえ込むのも一策。
しかし、白10から14と先手で隅を削られた後、白16から18と走られて黒遅れた碁形です。
見た目は黒悪くなさそうですが、ここから黒がよくなる図が中々見出せません。


黒19と露骨に下辺を囲うなら、白20と軽く消して白十分。
黒21で下辺を確定地にされますが、白22から24と削れるのでそこまで大きくないです。
白26と黒27を交換して右辺拡大を牽制しつつ、白28と地を稼いで白足早な展開となります。


【参考図1:先制攻撃】
黒1、3と右上の白を攻めるのも考えられます。
ただし、白4から6と中央に脱出されると一等地である下辺に追い込む形となり黒不満。
攻めによって得られる厚みも、△によって働きを失うので黒の得られたものは少ないです。



【参考図2:先手を取る選択】
後手を引くと黒悪くなるので、黒2から6と先手を取るところです。
黒8から12と上辺に先着できるため、前図よりも少しだけ改善されています。
しかし、白13と三々入りで地を稼がれても、黒は中々よくなる図を見出せません。


黒14から18と手番を奪えますが、上辺か下辺の何れかは消される運命なのが黒ツライ。
黒20など拡大するなら白21、23と模様を消しながら、白Aを狙われる局面に導かれます。
白に隅を稼がれているため、黒は辺の模様を大きくまとめることが勝つ道筋でしたが、
その模様が容易に削られる現状であり、いつの間にか黒が勝負できる場が消えているのです。


蛇足ですが、黒24と拡大した場合は白25から29と模様を消す調子を求めるのが有力です。
これは必ずしも白二子を助けるのではなく、捨て石にして模様を削る選択肢もあります。


黒30から34と強引に包囲されると白苦しく見えるかもしれません。
しかし、直接戦うのではなく、白35から37とAやBを横目に整形すれば容易にサバけます。
このように大きく広げた瞬間に荒らされるため、黒の打ち方が悩ましいのです。



【参考図3:模様拡大】
黒2から6と押さえる方向を変えた場合を検証します。
黒8と構えれば黒相当な格好に見えますが、これも白9と入られるのが悩ましいです。


黒10から18と立派な厚みを築いても、白19から21と消されて黒イマイチです。
黒は右上と右下に厚みがあるにも関わらず、この程度の実利では採算が合いません。


【参考図4:先手を取ったが…】
黒2から6と手番を奪って、さらに模様拡大を図る発想もあります。
しかし、白A~Cの消しや狙いがある上に右辺の模様を拡大する有力な手立てがありません。
露骨に広げるのは簡単に消されて値切られてしまうこともあり、次の一手が悩ましいです。



【参考図5:地に辛い選択肢は?】
今までの変化は厚みを築くか、模様を形成する打ち方でした。
本図は黒4、6と地に辛い定石を選択した場合の進行を見ていきます。


当然、白7から9と黒一子をカミ取るところ。
黒8から12と地を稼がれますが、白13から15と上辺に回れるので白十分。
黒Aとプレッシャーをかけられても、白Bが弾力ある好手で黒の攻めが繋がりづらいです。


【参考図6:手厚い構想】
白1と手厚く守るのも有力です。
黒2から6と上辺を占められる短所はありますが、白7と三々入りすれば遅れてません。


黒8から16と厚みを築かれても、白17の肩ツキで上辺の模様を消して白悪くありません。
△と手を戻して弱い石がない戦況を作ることで、中盤で力強く戦える長所を得られます。

「編集後記」
図が多いのと、長手順が多い図ばかりになってしまったのは反省点ですorz
数回に分けて本テーマを紹介することも考えましたが、今回は様々な戦型を紹介したいので、
一つの記事で一つのテーマを簡潔する方向で編集することに決めました。
これから、三連星や中国流などでも有力であることを紹介する予定なのでお楽しみに!

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