序盤早々の三々戦術ー基本編(1)

今回から近い将来に常識となる布石の考え方を紹介していきます。
違和感を感じる方もいると思いますが、強くなる上で新発想を取り入れることは必須です。
様々なパターンを通して三々の呼吸が掴めれば、戦術の幅が大きく広がっているはずです。


【テーマ図:厚みの無力化】
今回は二連星の布石をテーマに三々の呼吸を紹介していきます。
従来の考え方では、黒5は白をいたずらに厚くさせる悪手だと言われていました。
しかし、囲碁AIにより厚みの働きを削ぐ有力な戦術が発見されて大流行しています。
どういった構想を描いた打ち方なのか、考え方を中心に解説していきます。


左下に白が控えているので、白6と左辺に対して厚くするのが無難な対応。
黒7から13と先手で隅を荒らした後、黒15と左上の厚みを牽制するのが黒の意図です。
黒A以下符号順のハネツギを決めると、見た目以上に白が厚くなるので決めてはいけません。


白16と左辺の黒に迫るのは当然の態度。
これには黒17と自身を補強しながら左上の白の攻めを睨めるので黒悪くない展開。
白18とプレッシャーをかけられても、黒19と冷静に受けてAやBを狙う要領で黒十分です。
白は厚みを得たにも関わらず、十分な戦果を得られなかったので白若干不満でしょう。


【参考図1:スピード重視】
白2を利かそうとするのは軽率です。
黒3と白4を交換してから、黒5から7と左辺を連打できるのが大きく黒打ちやすい碁形。
続いて、白Aには黒Bで生きているので大した事はありません。


【参考図2:近代的な呼吸】
白は後手を引くと大きく遅れるので、白4と先手を取る手法をよく用いられます。
黒5、7はAの断点を狙った受け方で、白は傷を緩和する工夫が必要です。
多くの場合、白8と三々入りを選択して黒の狙いを牽制していきます。


上辺よりも右辺の方が大きな黒模様ができそうなので、黒9と押さえるところ。
白14まで、上辺に食い込む形となったため、黒Aの威力を削ぐことに成功しています。
手の広い局面に見えますが、ここでも黒15と三々入りを選択して地を稼ぎます。


白16から20と先手で厚みを築いた後、白22と左辺に構えれば白理想形に見えます。
一時前なら、誰しも白持ちであると断言するところでしたが・・・。


黒23、25が左辺の発展性を制限すると同時に、中央の主導権を握る好点になります。
右辺が大きくなる可能性が高まる他、A~Cなどの狙いもあり黒の楽しみが多い局面です。
僅か数手の出来事ですが、黒に都合の良い局面に転じています。


蛇足ですが、その後の一例を紹介します。
白30と右辺を割るなら、黒31から33と外周を厚くして黒十分です。
黒Aの切りが強烈になりますし、白の出方に応じてBとCを使い分けられるのも黒の自慢。

「編集後記」
今回の内容は碁の常識となる戦術になるので、少しずつまとめていこうと思います。
ただし、記事でまとめるには手順が非常に長くなるため、動画化も考えています。

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