囲碁電王戦FINALー第1局

3月24日に中国・北京で「囲碁電王戦FINAL」が開幕した。(詳細はこちら)
「DeepZenGoプロジェクト」の終了が決定し、2年間の集大成を示す場として開催された。
持時間は3時間、残り5分から1分の秒読み、日本ルールの先番6目半コミ出しで行われる。
以下に本日の結果と今後の予定をまとめたので参照ください。

【3月24日(土):第1局ー中国・北京】
△芈昱廷九段(中)ーDeepZenGo 黒番中押し勝ち

【4月1日(日):第2局ー韓国・ソウル】
朴廷桓九段(韓)ーDeepZenGo

【4月7日(土):第3局ー日本・日本棋院】
趙治勲九段(日)ーDeepZenGo

開発チームとしては負けられない勝負だったが、緒戦は優勢を保持できず逆転負けを喫した。
以前の課題である中終盤の精度不足が十分に改良されていないのは大きな欠陥と言えそうだ。
次局まで僅か1週間、開発チームがどこまで完成度を上げられるか注目していきたい。
さて、対局を振り返っていきます。


【実戦譜1:柔軟な打ち回し】
黒番が芈昱廷九段、白番がDeepZenGoです。
白Aの切りを見られているので、黒1と左上隅を守るのは急場で逃せない。
白は左辺を受けるのが無難であったが、実戦は白2と大場に走る展開を選択します。
手抜きを咎めるため、黒3と左辺に踏み込んで大きな戦果を上げられるかが焦点となった。


白4、6と強く反発したのが力強い応手でした。
黒9まで、AとBを見合いにされて白収拾のつかない格好に見えますが・・・。


白10から14と左辺を厚くして白十分と判断したようです。
黒15と左辺の白を取られても、白A以下符号順で左辺の黒地を大きく削る手段が残ります。
ただ、先に損をする打ち方なので、高度な大局観を求められる難しい着想と言えるでしょう。


白16には黒17から21が攻め合いの手筋で黒一手勝ちとなります。
白は外回りの厚みを背景に、白22と左下の黒を攻めるのが一連の狙いでした。
左辺の補強や下辺の白陣拡大を期待できるので、攻めの戦果が十分に回収できそうです。


黒23から27と整形した瞬間、白32と強引に封鎖したの好手。
黒Aと傷を突くのは白B以下符号順で中央を厚くする調子を与えるため得策ではありません。
続いて、黒は左下の眼形を築く必要がありますが・・・。


黒33から37と守るのが仕方ないところ。
白38と下辺に白陣を築きながら右下の黒にプレッシャーをかけて、白が主導権を握ります。
左上の損失は小さくなかったが、全局的な展開で補填する打ち回しは流石の石運びです。
黒は右下の面倒も見る必要があり、かなり忙しい局面となっています。


【参考図1:重い石運び】
黒1に白2、4と守るのは無難な対応。
しかし、左辺の白が重い石となっているため、黒からの攻めが厳しくなってしまう。
実戦進行は一方的に攻められる展開を避ける捨て石作戦だったのです。



【実戦譜2:終盤の敗因】
黒1から5と白一子をカミ取ってヨセ勝負にもつれ込む。
白6のツギが最後の敗因で、黒7のサガリを許しては黒半目~2目半残る形勢です。
DeepZenGoは細かい勝負になると正しく計算できないのか、信じられないミスを犯します。
結果、黒中押し勝ち。


【参考図2:コウに持ち込む】
白1、3とコウに持ち込めば、僅かに白残る形勢だったようです。
コウ材は白が多い上に、白A、黒B、白Cの狙いがあり黒の負担が重いコウとなっています。

「編集後記」
DeepZenGoは容易な勝ち筋も見逃してしまう信じられないミスを犯すことがあります。
本局もその欠点が浮彫となり、中国の芈昱廷九段に逆転負けを喫してしまいました。
内容は悪くないですが、結果が伴わなければやはり認めてもらえません。

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