第9回中国竜星戦ー本戦1、2回戦

3月12日に中国棋院で「第9期中国竜星戦」の本戦1、2回戦が行われた。
本戦は各組で序列の低い棋士と1つ上の棋士が対決する勝ち抜き戦形式で行われる。
それぞれの最多勝星を稼いだ方と最後の勝者が枠抜けし、4名が準決勝に進出する流れだ。
なお、持時間は1手30秒、1分の考慮時間10回の中国ルール(コミ7目半)で行われる。
以下に本日の結果を表にまとめたので参照ください。

A組 B組
1.芈昱廷九段 1.柯潔九段
2.連笑九段 2.時越九段
3.辜梓豪九段 3.柁嘉熹九段
4.李欽誠九段 4.謝爾豪九段
5.芮廼偉九段 5.常昊九段
6.李軒豪七段 6.韓一州七段
7.劉星七段 7.楊鼎新六段
8.陶欣然六段 8.孟泰齢六段
9.廖元赫六段 9.鄔光亜六段
10. 於之瑩六段 10. 陳梓健六段(2連勝)
11. 王泽锦五段(2連勝) 11. 王晨星五段

本棋戦は序列上位の棋士ほど勝ち星が稼げないので、下位の方が枠抜けしやすい特徴がある。
2連勝を果たした王泽锦五段と陳梓健六段は20歳以下の予選を勝ち抜いた期待の若手棋士だ。
3月16日の2連戦に勝利すれば、枠抜けの可能性が濃厚となるので注目していきたい。
さて、対局を振り返っていきます。


【実戦譜:新手法の流行】
黒番が於之瑩六段、白番が王泽锦五段です。
白1に黒2のハサミから上辺の黒陣を広げる展開を目指します。
白Aと外周に傷を残す変化をよく選択されたが、最近は新手法を用いられる傾向があります。


白7と地に辛く受けた後、黒8に白9のブツカリで応じる実戦を見かけるようになりました。
右辺を止められる上に黒を厚くする悪手に見えるが、白は手番を得られる長所があります。
部分的に悪くても次々に要所を占めていけば、白十分打てると判断しているようです。


白11、13と右上隅を補強した後、白15から手をつけるのも現代的な手法です。
小目の二間ジマリは形を決めづらい長所がありましたが、少しずつ攻略されつつあります。
もちろん、局面次第で悪手になる場合もあり、形だけを真似るのは非常に危険です。


黒16の強い反発には白17と隅に食い込んでサバキの調子を求めるところです。
黒18から22で白収拾つかない格好に見えますが、白は明るい発想で局面を打開していきます。


白23から27と手順を尽くして右下隅を利かしてから、白29と黒の薄みを突いていきます。
白は下辺と右辺の両方を面倒見る必要があり、忙しい局面に見えますが・・・。


黒30、32の強い反発に、白33から35と中央を厚くするのが柔軟でした。
下辺と右辺の白は取られた格好ですが、模様削減できれば白の実利が活きる展開になります。
右下の攻防は黒模様を制限する調子を求めた高等テクニックだったのです。


黒36で右下の白を制すことはできるが、白37から39と中央を厚くされて黒不満なワカレだ。
Aなどの利きがあるため、白41から43にも黒は強く反撃できないのが泣き所。


黒44、46と右方の連絡を図るのは仕方ないところ。
白47から53と下辺の黒地拡大を防ぎつつ、白55から59と中央を厚くして白優勢です。
黒は稼いだ地以上に、黒模様を削られた損失が大きく帳尻が合わないワカレとなっています。
読みの力技で勝負するより、大局観で圧倒するバランス重視の打ち方が増えてきました。
結果、白中押し勝ち。


【参考図:手番を奪われる】
黒1に白2のサガリが従来の受け方です。
しかし、黒Aなど守らずに黒3、5と模様を広げられると黒の発展性が豊かになります。
上辺から下辺にかけて黒模様が築かれており、一部が黒地になれば良い勝負になりそうです。

「編集後記」
中国の若手棋士は囲碁AIの手法を積極的に用いて好成績をあげています。
世界の流れに乗り遅れないよう、囲碁AIの打ち方を学んで損はなさそうです。

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