小林流の対策(2)

前回は白に実利を先行されたので、今回は黒が地に辛く打つ実戦例を紹介します。
序盤から黒に確定地を稼がれる展開になりますが、焦らず手厚く打つのが肝心です。
部分的な損得に惑わされず、全局的な打ち回しを重視するのがポイントです。


【テーマ図:地に辛い受け方】
白1に黒2と下辺の黒陣を固める打ち方も考えられます。
白Aと押さえ込むのは黒Bから分断されて白苦しい戦いを強いられます。
現局面では右下の白を先手で補強し、大場に走る方針を取るのが賢明です。


白3と自身の薄みを守るのが冷静。
黒4、6と下辺に確定地を作られて焦りそうですが・・・。


このタイミングで白7と右下隅の形を決めていきます。
現局面では右下の白を追及できる可能性があるため、黒8から14と受けるところ。
形を決めないと、後に黒Aと地を稼がれて▲を軽く捨てられる恐れがあります。(参考図参照)


白15から23と右下を補強するのが相場。
下辺は黒が先着していた場なので、稼がれたというよりも発展性を消した意味が強いです。
右下の厚みを背景に白AやBと攻めるのも有力ですが、今回は簡明な図をオススメします。


白25のカカリを選択するが簡明策。
右辺の黒が孤立しないよう、黒26とハサんで右辺を補強するのが無難な対応です。
白33まで、右辺の黒は攻めらないが、右上の稼ぎが大きく全局的には白悪くない展開です。
右辺が強くなったことにより、黒Aの切りが厳しいように思えますが・・・。


黒34には白35と石の調子で急所を守るのが意図した進行です。
黒36にも真正面から戦わず、白37と封鎖を嫌いながら右下を安全を優先します。
部分的には黒38と抱えて黒十分な戦果ですが、序盤で白に手番を渡すのが痛すぎます。


白39、41を利かしてから、白43と右辺に打ち込むのが見た目以上に厳しい一着。
黒Aと封鎖を試みても、白Bで外周を厚くされるか地を稼がれるので黒不満な展開です。
下辺の厚みも白Cを常に睨まれており、意外と働かせるのが難しい局面となっています。
黒に地を稼がれた場合、全局的な展開で相手を置いてけぼりにするのがコツです。


【参考図1:無謀な戦い】
黒1に白2と強引に下辺を割るのはやり過ぎです。
周囲は黒一色なので、黒3から5と分断されて白苦しい戦いを強いられます。


【参考図2:軽快な石運び】
白Aと右下隅を決めていない状況では、白1に黒2と受けられる可能性があります。
白3で右辺の黒を大きく飲み込めそうに見えますが・・・。


先の展開を想定して、黒4と白5を交換しておきます。
下辺の黒は堅い格好なので、黒6から8と右辺をサバく手筋が生じます。


通常、白9から13と分断できれば白悪くないところです。
しかし、下辺を固めてしまっており、右下を削っても次の狙いがないのが白の泣き所。
黒16と懐を広げて治まりつつ、右辺の白を凝り形に導いて黒十分な展開と言えるでしょう。
この図を想定した場合、▲と△の交換が黒に都合の良い利かしとなっています。


【参考図3:積極的な有力策】
白1など右辺の黒を追求するのも有力です。
右辺を飲みこまれるのは大きすぎるので、黒2など動き出すところ。
白3と右辺を補強してから白5と攻めに回れるので白有利な戦いに持ち込めます。
ただし、石の競り合いから複雑な変化になる可能性があるのが懸念材料です。


【参考図4:簡明に収束】
蛇足ですが、白1の打ち込みに黒2と封鎖を目指すのは白3で黒窮しています。
黒Aは白Bとツガれて、黒は傷だらけで収拾つかない格好となるので・・・。


黒4、6と実利重視で打つなら、白7から9と地を稼ぎながら治まって白十分。
黒はAを睨まれているため模様を張りづらく、白の実利が活きる碁形です。

「編集後記」
対小林流は全局的な展開で対抗されるため、黒番は対策の打ちようがないのが現状です。
AlphaGoTeachingToolを用いても活路が見出せないので暫く打たれない戦術になりそうです。

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コメント

  1. キクヤン より:

    いつも参考にさせていただき、感謝です。
    テーマ図の
    >白Aと押さえ込むのは黒Bから分断されて
    A,Bの位置の表示が無いように思います。