第6回CCTV賀歳杯日中韓新春争覇戦ー2回戦

2月5日に中国・北京で「第6回CCTV賀歳杯日中韓新春争覇戦」の2回戦が行われた。
以下に対戦結果と対局日程をまとめたので参照ください。(左側が勝者)

【2月6日(火):2回戦の結果】
柯潔九段(中)ー一力遼八段(日)

【2月7日(水):決勝戦の組合せ】
朴廷桓九段(韓)ー柯潔九段(中)

2回戦は中央の戦いで一力遼八段の技が炸裂し、中盤から終盤にかけて優勢を保持していた。
しかし、秒読みに追われたのか、徐々に足取りが乱れて柯潔九段に逆転を許してしまった。
敗退が決まった一力八段だが、世界トップと勝負できた経験は先の棋士人生で活きるはずだ。
今後の更なる飛躍に期待すると共に、次回は良い結果を持ち帰ってほしいと切に願う。
さて、対局を振り返っていきます。


【実戦譜1:フリカワリの優劣】
黒番が一力遼八段、白番が柯潔九段です。
黒1から5の構えはAlphaGoも採用した戦術で、人間界でも実戦例の多い類の布陣。
右辺の幅が広いこともあり、白6から10と黒の勢力圏を割るのを優先します。
黒はAやBと右辺の白に働きかけつつ、右下の黒陣を広げるのがよくある展開です。


黒11に受けず、白12と右辺に戦いを仕掛けたのが機敏。
黒AやBと右辺の白に迫る余裕を与えずに、右下の黒を割る一石二鳥の一手です。
最近は両カカリに対する対抗策が編み出され、手抜きすることが増えています。
白16まで、右辺の黒が孤立するため、間接的に右辺の白の補強に繋がっています。


黒17の脱出に白18の切りから石の調子を求めるのが厳しい着想。
黒19、21で下辺と右辺の白を睨める形となり、黒有利な戦いに見えるかもしれません。
しかし、白の本命は右辺の黒なので、下辺を捨てても右辺を飲み込めば良いと判断してます。
白24まで、AとBが見合いで右辺の戦いは白有利になりました。


黒25と右下隅を守るのは必須。
白26のツケで右辺の黒に迫った瞬間、黒27と抜いたのが冷静でした。
白28を許しますが、右辺は白に連打された場なので黒29とサバければ黒十分と見ています。


右辺は黒AやBが残っている場なので、白30から32と外回りを厚くするワカレを選択します。
黒33まで、右下の白を飲み込みながら右辺を治まれたので、部分的には黒悪くない交換です。
ただし、白Cなど右下隅を削りやすくなっており、全局的には黒優勢とは言い難い局面です。


【参考図1:黒やり過ぎ】
白1に黒2、4と厳しく追及するのはやり過ぎです。
白5と右辺の黒にプレッシャーをかけられて黒苦しい戦いを強いられます。
後にAやBなど狙われるので、黒の悩みの種が多い局面と言えるでしょう。


【参考図2:無難な攻め】
白2と右辺の黒を重くしてから白4と分断するのが無難な攻め方です。
しかし、右辺の黒を簡単にシノがれると、下辺の損が大きいので怖い打ち方ではあります。


【参考図3:コウの味】
黒2と右辺を脱出したいところだが、白3とコウに弾かれるのが見た目以上に厳しいです。
右下隅の黒を睨まれており、黒にとって負担の重いコウとなっています。


黒4には白5から7と外周を厚くして白十分です。
部分的には黒Aから脱出できますが、下辺に地模様を築かれるので黒得策ではありません。



【実戦譜2:一力の剛腕炸裂】
白1に黒2のツケが勝負手。
黒A、白B、黒Cの狙いを見ながら中央の白模様を消す狙いがあります。
白は大人しく受けていると、黒Dなど次々に薄みを突かれる展開となるため・・・。


白3、5と左辺の黒を飲み込みにきた瞬間、黒6から8が厳しい決め手となりました。
AとBが見合いで中央のシノギに目途がつき、僅かに黒優勢に転じています。


実戦は白9と最大限に抵抗しますが、黒10の切りが手筋で白窮しています。
左上を飲み込まれては白の損失が大きすぎるので、助けざるを得ませんが・・・。


白11と助けざるを得ないが、黒12から14が好手順で種石を抜くことができ黒成功です。
黒20まで、中央の白模様を大きく削りながらシノギ形を得て黒優勢になりました。
しかし、終盤のヨセで少しずつ損を重ね、最終的にそれが致命傷となり惜敗を喫した。
結果、白2目半勝ち。

「編集後記」
一力八段の金星目前まで迫るも、最終盤でヨセのミスを犯し大逆転負けを喫しました。
本棋戦は早碁なのでミスが出ることはありますが、勝ち切ってほしかったですね。

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