AlphaGoTeaching(8)【ミニ中国流の研究(3)】

今回は人間界でよく打たれる戦型をAlphaGoTeachingToolで検証していきます。
前回よりも白の勝率が高いと判断しており、有力案であると見ているようです。
ただし、黒の不可解な打ち方もあり、疑問が残る石運びと言わざるを得ません。


【テーマ図:手堅い石運び】
黒4までの進行はミニ中国流定番の流れです。
白5のスベリは右辺を治まりながら右下の黒陣を削る意図があります。
実戦例が多い戦型なので、ミニ中国流を選択するなら避けて通れない進行の一つ。
AlphaGoは白A(53.7%)よりも白5(54.5%)の方が有力と見ているようです。


黒6と下辺を広げるのは当然の態度。
白7、9と外回りの黒に節をつけながら受けるのが相場です。
断点を守るため、AやBを受けるのが人間の常識でしたが・・・。


黒10と受けるのがAlphaGoの候補手でした。
▲との幅も狭いため、人間的には瞬時に選択肢から外す進行と言えるでしょう。
仮に黒Aとツナいでも白Bが残るので、繋がりの強い受けの方が良いと判断したようです。


白11と大場に走るなら、黒12と右下隅を押さえていきます。
実利が大きい上に右辺への寄り付きも残るため、見た目以上に大きな好点です。
しかし、黒が右下を連打している間に白13、15と走られるため黒出遅れた格好に見えます。


黒16は右上隅の守りと右辺への攻めを見た攻防の一手。
白17を一本利かしてから白19と下辺に先着されますが、黒20が意外に厳しい追及でした。
白が中央へ脱出を図ると、黒Aと根拠を奪うのが急所となり白の受け方が悩ましいところ。
右下を連打した効果は出たが、白に大分稼がれているので黒容易ではありません。


【参考図1:右辺の補強】
前図の展開を嫌うなら、白2から6と右辺を補強するのも一策。
左辺と上辺が大体同価値の場合、AlphaGoは黒7と三々入りを選択することが多いです。


白8から12と隅の実利を優先する打ち方を選択します。
白18まで、弱い石がない戦況なので上辺や下辺に模様を築いても簡単に荒らされそうです。
無難に打ち進めるのはコミの負担が重く、黒は工夫した打ち回しが求められます。


【参考図2:人間の選択①】
黒1のツギは一番素直な受け方。
しかし、白Aと荒らす手が残るので、テーマ図のように固く構えた方が良いかもしれません。


【参考図3:人間の選択②】
黒1は隅の進出を止める欲張った手。
当然、白2と切られますが、黒3から5と応じて戦うのが意図する展開です。
白8まで、右下の攻め合いが絡む難解な変化になるため、黒1はオススメできません。


ここからは複雑な変化の一例を紹介します。
黒9から13と封鎖しながら白の眼形を奪っていきます。
部分的には白14が攻め合いの手筋で黒窮した形ですが・・・。


黒15、17を利かすことで手数を増やすことができます。
白20と連絡した瞬間、黒21が手筋で黒取り番のコウに持ち込めます。(白20でAは黒20)


白22に黒23と手を戻せば、右下隅の黒は見た目以上に手が長いです。
ダメを詰めればコウになりますが、仮に白がコウに勝てても大きな得は望めません。
攻め合いでは戦果が望めないため、白28と外回りの薄みを突くことになります。
続いて、黒Aなど緩く受けるのは白Bが激痛です。


黒29と受ける一手。
白30から34と補強した後、白36と下辺の黒を睨みながらモタれていきます。
黒37、39と脱出すれば、部分的には無条件で右下の白を取り切れた格好です。
ただし、右下は両コウで取れる形なので、どこかでコウが発生すると深刻な問題になります。
(白Aに黒B以下符号順で両コウで白を取れるが、白良いワカレと見るべきです)

「編集後記」
AlphaGoの手法は様々な図と比較検討すれば、少しずつ良さが見えてきます。
ただ、余りにも人間界とは違う打ち方で、実戦で打つには相当な勇気が必要でしょう。

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コメント

  1. 東大阪の会(研究会) より:

    okao先生、ご配慮有難う御座います。
    今回も、okao先生の研究テーマ図を使いました。【参考図3:人間の選択②】白8手目以降について、複雑すぎないように心がけました。どちらも、白が打ち易いという結論でした。

    • okao より:

      白の切りを誘う変化は、自分も白良しの結論に至りました。
      左図のように下辺の黒陣を割れれば、簡明に白悪くない序盤戦です。
      右図もコウになりますが、右下は元々黒地だったと考えればフリカワリで白十分ですね。

      黒は傷を一度守る必要があり、この型のミニ中国流なら若干白打ちやすそうです。
      もちろん、中盤以降の打ち方は難しいですが、対策としては十分と言えます。