AlphaGoTeaching(7)【ミニ中国流の研究(2)】

前回に紹介した人間界の手法は、AlphaGoの軽快な石運びでかわされてしまうようです。
今回はAlphaGoならどのような打ち方を見せるか、検証していきます。


【テーマ図:納得の三々入り】
白1と左下の黒に迫った時、黒Aと実利を走るのは左上に白陣を築かれて白良しです。
下辺に手をつけると後手になりやすいので、黒2の三々入りを優先するのがAlphaGoの選択。
前回のように左上に白陣を敷かれない工夫で、納得できる三々入りと言えるでしょう。
AlphaGoは膨大な展開を想定した上で導き出された手が多く、読み解くのが大変です。


左下に白が控えているので、白3と押さえるところ。
黒4から10と先手で隅を荒らしてから、黒12と左辺を割って左上の厚みを牽制します。
確かに、左上に模様を築かれる展開を未然に防いでおり、前回より改善されていそうです。


左上の白模様化が消えたので、白13と左下に勢力圏を築いていきます。
黒14の補強に対し、白15と左辺の黒を横目に下辺の白陣を広げるのが好点。
左辺の黒が睨まれた格好なため、黒18と中央重視に打って援軍を送るのが呼吸です。
互いに絶妙なバランスを保っており、ほぼ互角に近い形勢と言えそうです。


【参考図1:三々入り特有の呼吸】
白1から5と先手を取るのも考えられる展開の一つ。
白7と左下に手を回せるので、前図よりも白悪くないように見えますが・・・。


黒8、10に手を戻すのが見た目以上に大きいです。(こちらが関連記事)
白11から下辺を広げれば模様を深くできますが、黒14と左上の白に迫るのが厳しい。
三々定石は厚みが攻めの対象となり、それが原因で模様を荒らされることが多いです。


白15と模様を広げるのは、黒16から18と追及されて白ツライ戦いを強いられます。
また、左上の攻防で左辺の黒が強い形となるため、左下の白模様を荒らされやすくなります。
三々入りは独特な石運びなので、どういった展開になると悪いか研究する必要があります。


【参考図2:中央の打ち方が課題】
左上の白が攻められては話にならないので、白4と構えるのが無難です。
黒5など左下の模様を消しに行き、白の出方を見て黒A~Dを使い分けるのが有力そうです。
地を稼ぐだけ稼いで、白模様を削りに行く方針なので何すべきかはわかりやすい碁形。
しかし、中央の攻防は未知の分野なので、相当難しい展開になりそうです。

「編集後記」
三々入りは定石後の呼吸が非常に難しいため、研究と経験が必要になります。
また、シノギ勝負になる場合が多く、高度な技術が求められるため扱いが難しい戦術。
ただし、本テーマのように戦術を改良できる可能性もあり、考慮する必要はありそうです。
囲碁AIが出現して数年余りなので、これからの研究で打ち方が確立されるかもしれません。

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