第32期中国天元戦ー決勝

1月31日に中国棋院で「第32期中国天元戦」の決勝が行われた。
終盤、謝科五段の巧みなヨセで張涛六段を引き離し、連笑天元への挑戦権を獲得した。
ここまで陳耀燁九段、范廷鈺九段、時越九段と世界トップ棋士を次々に破っている。
この勢いで天元を奪取し、世代交代の狼煙を上げられるか、注目していきたい。
さて、対局を振り返っていきます。


【実戦譜:両カカリの攻防】
黒番が張涛六段、白番が謝科五段です。
黒1、3と地に辛く打つのが現代的な打ち方です。
白6のカカリは相手の出方を見て、左上隅の決め方を変えようとする意図。
右上を受けずに黒7と白の意図を崩したので、白8の両カカリの攻防が焦点となりました。


黒9、11は無難な受け方。
白12から14と根拠を奪いながら地を稼ぐのがよく使われる追及方法です。
ただし、黒15以降に両カカリをした戦果を回収するのが白難しいと見られていました。
そこで最近打たれ始めたのが、白16と手堅く構えてAの傷を強調する手です。


黒17と上辺の白にプレッシャーをかけつつ、傷を守る調子を求めます。
ただ、白18から20と根拠を奪われると、右上全体の黒が攻めの対象となります。
白22まで、上辺と右辺の白を補強しながら右上の黒を狙われる碁形となって黒不満です。


黒23と上辺の白に圧力をかけて反撃しますが、白24から28が厳しい追及でした。
右上の黒は根拠がないので、黒Aは白Bと切られて黒ツライ戦いを強いられます。


黒29の受けは仕方ないが、白30と黒二子を制して治まられては黒イマイチでしょう。
黒31、33と補強するも、白Aと追及する狙いがあり見た目ほど黒厚い格好ではありません。
左上を連打した黒の利益は小さくないですが、右上の攻防で失ったものの方が大きそうです。
結果、白中押し勝ち。


【参考図1:受けた場合①】
黒2と受けるのは穏やかですが、白3と右辺を割られてしまいます。
右下の構えが薄くなるだけでなく、黒は模様を張りづらくコミが利いてきそうな碁形です。


【参考図2:受けた場合②】
右下の構えを活かすため、黒2のハサミなどが考えられそうです。
この場合は白3、5と外回りを厚くする定石を選択するのが簡明です。


黒6から12と地を稼ぐなら、白13と左上隅を決めていきます。
黒14、16と隅を大きく荒らされても、白17と上辺に模様を築けば十分追い付けます。
右下もAやBの味があるため、全てが黒地になった訳でないので焦る必要はありません。


【参考図3:出切りが厳しい】
単に黒2と上辺に迫るのは白3、5と切断されて黒収拾つかない格好です。
黒はAの傷を突いていきますが・・・。


黒6の切りには白7から13と右辺を補強しながら右上の根拠を奪うのが冷静。
黒Aには白Bとダメヅマリを突きながら上辺を守れば、黒の形が崩れるので白十分です。

「編集後記」
いろいろ書きたいことがありましたが、客観的な図ができなかったので保留しました。
両カカリの攻防も数週間で打ち方が変わっており、対策を立て直さなければなりませんね。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする