第32期中国天元戦ー準決勝

1月29日に中国棋院で「第32期中国天元戦」の準決勝が行われた。
以下に準決勝の結果と決戦の組合せをまとめたので参照ください。(左側が勝者)

【1月29日(月):準決戦の結果】
謝科ー時越
張涛ー韓一洲

【1月31日(水):決戦の組合せ】
謝科ー張涛

今回は決勝戦に勝ち進んだ両者を紹介します。
謝科五段:2000年1月14日生、中国ランキング29位、甲級リーグで活躍中。
張涛六段:1991年3月23日生、中国ランキング25位、2017年にCCTV電視快棋戦優勝。
中国は10代、20代で第一線で戦える人材が現れおり、層の厚さを物語っています。
日本も若返りしているので、世界戦で結果を残して存在感を示してほしいところだ。
さて、対局を振り返っていきます。


【実戦譜1:鋭い返し技】
黒番が時越九段、白番が謝科五段です。
白1から5と右辺の根拠を確かめつつ、右上の黒にプレッシャーをかけます。
しかし、黒6の様子見が絶妙で白は打つ手に悩まされることになります。
白Aは黒Bと模様を広げながら右上の黒に援軍を送る形を取られるので・・・。


白7と封鎖を避けるのは当然の態度。
この瞬間、黒8から10と右辺に働きかけるのが用意された返し技でした。
右上隅は黒Aの受けを省かれているため、右上の白を取られるのは大きすぎます。


白11の受けは仕方ないところで、黒12と右上を整形して黒十分な戦果です。
白13、15の補強に黒A、白B、黒Cと守れば無難だが、下辺には白Dなどの味が残ります。
下辺の手残りを解消するため、時越九段は更に飛躍させていきます。


黒16の押しを選択します。
白17の切りを許すため、右辺の白が完全に治まって黒悪いように見えますが、
黒18、20を利かして手数を稼いでから、黒22と右辺の黒三子を捨てるのが意図でした。
続いて、白Aと取り切れば白十分なように見えますが・・・。


白23で右辺の黒は取られますが、黒24から30と下辺の薄みを解消することができました。
相手の石をあえて自陣に近づけて、薄みを石の調子で消す高等テクニックです。
下辺は地模様となったので、黒32と白陣を割って打ち回しているように見えます。
しかし、中盤で謝科五段の猛追を支え切れず、無念の敗退となりました。
結果、白中押し勝ち。


【参考図1:手厚いが遅い】
黒1に白2、4と抜くのは手厚いが、黒5と手堅く守られて厚みを活かしづらい格好です。
右上を飲み込まれた損失が大きく、反発していくのは白得策ではありません。


【参考図2:僅かに劣る】
白1に黒2、4と受けるのは無難です。
白Aと左上の模様を拡大させるのは黒Bと守られた際、右辺の白が弱くなります。
ただし、下辺の発展性が乏しいので、実戦進行より劣るかもしれません。

「編集後記」
序盤は時越九段の技が光りましたが、ほとんど差がない状況なのが不思議です。
白番の技術が上がったこともあり、黒がコミの壁を超えるのが一段と厳しくなっています。
現代は黒番で如何に戦術を練るかが焦点となっていそうです。

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