第1回新奥杯世界囲碁オープン戦決勝五番勝負第3局

12月23日に「第1回新奥杯世界囲碁オープン戦」決勝五番勝負第3局が行われた。
中国の柯潔九段が序盤から中盤まで終始優勢を築く素晴らしい石運びを見せる。
しかし、終盤で彭立堯五段の粘り強い打ち回しが実り、逆転半目勝ちを収めた。
さて、対局を振り返っていきます。


【実戦譜:バランス感覚】
黒番は彭立堯五段、白番は柯潔九段です。
黒1に白2とカカリ返すのが、白番の布石で大流行している布石の一つ。
この配石に関わらず打たれる戦術なので、黒番の打ち方が大きく変化しそうです。


黒7、9と下辺の白陣を制限するのは当然の態度。
黒11の三々入りは白の応手を利いて、左下の厚みの打ち方を変える意図があります。
白は黒の意図を崩すため、白12から16を手番を得てから白18と黒に応手を利きます。
最近の碁は相手の出方を見て、変幻自在に手を変える打ち方が主流となっています。


黒19から27と手厚く打ち進める進行を選択。
上辺の価値が低くなったので、白28から30と左辺への進出を止めていきます。


黒31、33と白に傷をつけながら、噛み取るのは定石化された手順。
これに対し、白34と切りを入れるのがAlphaGoが示した形の一つです。
黒Aと受けるのは白Bと手を戻されて、若干利かされた格好となるので・・・。


黒35の抜きで白の利きを消す一手。
白38まで上辺の価値が低いため上辺の進出を止めるより、左辺に厚く打つ方が良いです。
黒39はシチョウアタリなので、白40と備える必要があります。


黒41から53と下辺の白陣を低位置に制限しつつ、厚みを築いていきます。
しかし、左辺の△が黒の厚みを相殺しているので見た目ほど黒得していません。
黒55と右辺に勢力圏を築くも、白56と打ち込まれて白バランスの取れた局面となっています。
白は薄い石をないため、相対的に右辺の黒陣が薄くなっているのです。
結果、黒半目勝ち。


【参考図:利かしの種】
白1、3と上辺の進出を止めるのもあります。
しかし、黒4などのシチョウアタリに白5と左辺を占めながら守ることができません。


黒6の逃げ出しが成立してしまいます。
白7から11と封鎖するのは、黒12で左辺の白三子が取られます。(白Aは黒B)
実戦は白Aの切りを決めているので、黒12に白Cと取りに行けます。

「編集後記」
AlphaGo手法は形自体を真似することは容易ですが、先の打ち方が非常に難しいです。
ただ、柯潔九段は今もなおAlphaGoの背中を追っているように見えるのが印象的です。
更なる高みへ上るために必要と見ているのでしょうね。

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