第1回新奥杯世界囲碁オープン戦決勝五番勝負第2局

12月21日に「第1回新奥杯世界囲碁オープン戦」決勝五番勝負第2局が行われた。
本局も中国の柯潔九段は極端に地を稼ぎ、彭立堯五段が模様を張る構図となった。
中盤で盤面半分を覆う模様が出現するも、柯潔九段の巧みなシノギが決まり2勝目を上げた。
さて、対局を振り返っていきます。


【実戦譜1:実利と模様の構図】
黒番が柯潔九段、白番が彭立堯五段です。
黒1から5と地に辛く構えてから、黒7と三々入りをして徹底的に地を稼ぎます。
最近はAlphaGoZeroの影響により、一層地に辛くなってきたように思えます。
善悪の判断は難しいですが、黒番はコミの負担が重いので仕方ないかもしれません。


右下に白がいるので、白8と押さえるのは当然の一手。
白10に黒11、13はシチョウが良い時に用いられることが多い手法です。(参考図参照)


単に白14と二段バネするのは先手を取る工夫。
部分的には黒15から19で地の損をしますが、白20と下辺に構えれば白模様も相当です。
ただ、白は下辺に石が偏っている上、黒A~Eと荒らす手がかりがあり白甘いかもしれません。


【参考図1:シチョウ関係】
黒1に白2、4と封鎖するのがAlphaGoの示した手法の一つ。
しかし、現局面では黒のシチョウが良いため、白イマイチな結果となります。


黒5と切りを入れた後、黒7から9と隅の眼形を確かめるのが面白い。
白はシチョウが悪いため、Aから黒を取りにいけません。


白10と黒の動き出しを牽制しながら守るのが相場です。
黒11から13と地を稼ぐだけ稼いで、白模様を荒らして勝ち筋を見出す展開になりそうです。
実際、Aなど荒らす手がかりが残っており、急いで下辺の白を割りに行く必要がありません。
ただし、黒は高いシノギの技術が求められるため、人を選ぶ戦術かもしれません。



【実戦譜2:力のシノギ】
黒1、3の切り違いから下辺一帯の白模様を破壊しにいきます。
三々入り手法を用いる場合、こうした展開になることが多いため高い技術を求められます。


外周は白一色なので、白4から6と厳しく追及していきます。
一見すると、黒窮した格好にようですが・・・。


黒7と出たのが好手でした。
白8を誘導することで、黒9から11とシノギ形ができ始めています。
白Aと逃げ出すと黒にサバキ形を与えるので、助け出すことができません。(参考図参照)


白12、14と右方への進出を止めたのが厳しい追及。
黒15と白16を交換してから、黒17とシノギを求めますが黒相当苦しい格好です。
しかし、白18が失着でAと封鎖すれば、下辺の黒は代償なくシノげないため白優勢でした。


黒19が鋭い返し技でした。
下辺の味が悪いので、白20から24と切り離すのが相場です。
黒29まで、下辺は白模様だったので中央の黒が助かれば勝負形になったと言えるでしょう。


【参考図2:フリカワリは黒良し】
白1と逃げ出すのは軽率。
黒2から6を利かされた後、黒8と中央の白三子を制されてはハッキリ黒優勢です。
下辺は白模様だった場なので、下辺の黒を飲み込めても見た目ほど得していません。



【実戦譜3:勝機を掴めず】
黒1と白2を交換してから黒3とコウを抜いた瞬間、白Aと下辺を制すれば白勝勢だった。
白4とツナいでも耐えているように見えますが、既に白は深刻な事態に陥っています。


白は左辺のコウに匹敵するコウ材がないため、黒5から白12は一本道の進行です。
この瞬間、黒は必殺の手筋で勝負を決めにいきます。


黒13と白14を決めてから黒15とハネるのが好手。
白はコウ材がないため、白Aと押さえられないのが泣き所です。


白16と受けざるを得ないですが、黒17から19で下辺の白が窮しています。
一見すると、白Aの切りで眼あり眼なしの形に見えますが・・・。


白20に黒21、23とダメを詰めるのが決め手です。
黒27まで、下辺の白陣で花見コウに持ち込めれば黒勝勢は揺るぎません。
彭立堯五段に勝機がいくつもあっただけに悔いの残る一局となった。
結果、黒中押し勝ち。

「編集後記」
今週のお仕事も乗り切って、ようやく今年のゴールが見えてきました。
年末から年始めに休みが取れそうなので、プログラミングとグラフィックの勉強をする予定。

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