第1回新奥杯世界囲碁オープン戦決勝五番勝負第1局

12月20日に「第1回新奥杯世界囲碁オープン戦」決勝五番勝負第1局が行われた。
中国の柯潔九段はAlphaGoZeroの手法を用いて、近未来的な打ち回しを展開する。
彭立堯五段も厳しく追及するも、柯潔九段が真正面から受け切って先勝を上げた。
さて、対局を振り返っていきます。


【実戦譜1:AlphaGoZeroの手法】
黒番が彭立堯五段、白番が柯潔九段です。
黒2の肩ツキは左辺の白模様化を防ぎながら右下の黒陣を広げる効果が期待できる打ち方。
白AやBと受けるのが相場だが、相手の意図を崩すため白3など反発することが増えています。
これはAlphaGoZeroの手法の一つで、人間界でもよく目にするようになりました。


下辺は先に手を出すと、相手の出方に合わせて変化されるため実戦は黒4の三々入りを選択。
白も下辺には回りづらいので、白5から9と手番を得てから白11と右上隅に回ります。


黒12から16で手番を得た黒は、黒18と白19を交換してから黒20と右辺に黒陣を築きます。
下辺の▲と△を咎めたいですが、先に手を出すと効果的に働く不思議な石となっています。


【参考図1:黒が先着した場合】
黒1のオサエは小さくないですが、左下の黒が重くなる短所が大きく黒良くないです。
白6まで、右下の黒陣も薄い状況なため、黒が得られたものは少ないと言えるでしょう。


【参考図2:白が先着した場合】
白1と▲を大きく攻めようとしても、簡単には取られない石なので黒2に先着されます。
次に黒Aの切りが厳しい狙いとなるため、左上の白を補強する必要がありますが・・・。


白3、5と左上を補強するのが相場。
しかし、黒6の好点に先着できれば、Aも厳しい狙いとなるため黒悪くない展開です。
白は左上の厚みが活かしづらい上に下辺に大きな白地が見込めないのが泣き所。



【実戦譜2:厳しい発想】
白1は打ち過ぎに見えますが、右上の黒も強い石でないので黒も打ち方が悩ましいところ。
三々入りが多用される要因の一つは右上のような厚みを攻める展開を狙えることにあります。


黒2から6と右上の厚みを整備してから、黒8と右辺の白を追求します。
外回りが黒一色で白シノギが大変なように見えますが・・・。


白9、11が粘り強いシノギ筋です。
黒12と右上を補強しながら右辺の白を追求しますが、白13から17でシノギ形です。
Aの利きとBから中央へ進出する手を見られているため、黒の攻めが繋がりません。
右辺は相当黒厚い場だったはずが、簡単に荒らされた格好となっています。
結果、白中押し勝ち


【参考図3:逆襲される】
黒1と根拠を奪うのはやり過ぎです。
白2から8と脱出された際、右上の黒が弱くなるので黒ツライ戦いを強いられます。

「編集後記」
本局は柯潔九段の力技を随所に現れた好局です。
中盤以降も柔軟な石運びで相手の攻めをかわす姿が素晴らしいので、ぜひ並べてほしいです。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする