カカリ返しの攻防(1)

白のカカリ返しはミニ中国流や小林流対策に働くため、相手の土俵で戦わずに済みます。
黒に両カカリを許しても白戦えることが明らかになり、実戦例が増えています。
白番の打ち方に悩んでいる方には強くオススメしたい打ち方です。


【テーマ図:カカリ返しの石運び】
黒1に白2とカカリ返すのが流行している布石の一つです。
相手の意図する布陣を崩せるので、研究された形に持ち込まれない長所があります。
この布石で考えておかなければならない変化は、黒3の両カカリに対する対策です。
今回は両カカリの攻防を中心に解説していきます。


白4、6と封鎖を嫌うのは当然の態度。
黒7、9は地を稼ぎながら左下の白にプレッシャーをかける現代的な手法です。
Aの傷が気になりますが、恐れずに白10と受けても黒に強く追及されにくい格好です。


黒11はAの断点を強調する手ですが、構わず白12と下辺を占めるのが好手。
黒13には白14と下辺の黒を重くしてから、白16と隅に手を入れるのが柔軟な石運び。
黒は下辺の補強が急務ではあるものの、白に大場に走られると足の遅い展開となります。
白は難しい技術を用いずに、簡明な進行で打ちやすい碁形を築いています。(参考譜1


蛇足ですが、黒17など大場に走るのは白18と分断されるのが厳しいです。
Aの切りを見ながら下辺の黒を攻められるため、黒苦しい戦いを強いられます。


【参考図1:明るい発想】
黒2と下辺を割ることを重視した打ち方も考えられます。
下辺の黒を追求するため、白3とツメるのがわかりやすい打ち方です。(参考譜2)


黒4、6のツケ引きで下辺の幅が狭いように見えるかもしれません。
ただし、白9と下辺の黒を攻めながら中央を厚くすれば見た目ほど白遅れていません。
白Aと左辺の黒を攻める楽しみもあるので、白不満ない展開でしょう。


【参考図2:手厚い構想】
黒1と右下に先着するなら、白2と左下の黒を攻めていきます。
左下は黒の両カカリから始まった攻防ですが、力関係は白に傾いています。


黒3には白4と黒5を交換してから、白6と頭を叩いて左下の黒にプレッシャーをかけます。
黒はダメヅマリなので強く反発できない格好です。


黒7、9と脱出するなら、白10から12と形を整えるのが相場です。
続いて、白Aが厳しいので黒は左下に手を戻すところ。


黒13には白14と左辺を守りながら地を稼いで白十分です。
左下の白はAとBが見合いの格好なので、強い攻めが続きません。
黒15など右下を連打されても、白16から20と大場に回れば白バランス取れた碁形です。

「編集後記」
カカリ返しの手法は相手が想定する布陣を崩せるので、非常に有力と言えるでしょう。
両カカリを許しても軽くかわして白十分となるため実戦例が増える気がします。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする