AI竜星戦2017ー本戦ー

12月10日に東京・秋葉原UDXで「AI竜星戦2017」の本戦が行われた。
決勝戦は中国のFineArtと日本のDeepZenGoの組み合わせとなった。
DeepZenGoの厳しい追及を、FineArtが柔軟に交わし優勝を飾った。
以下に対戦結果をまとめたので参照ください。(左側が勝者)

【16強戦】
DeepZenGo(日)ー不戦勝
Abacus(中)ーDeep_ark(日)
Aya(日)-Kugutsu(日)
Tianrang(中)-勝也(日)
きのあ囲碁(日)ーDolBaram(韓)
AQ(日)ーnlp(日)
Raynz(日)-Maru(日)
FineArt(中)-迷ぃ子(日)

【準々決勝】
DeepZenGo(日)ーAbacus(中)
Tianrang(中)ーAya(日)
AQ(日)ーきのあ囲碁(日)
FineArt(中)ーRaynz(日)

【準決勝】
DeepZenGo(日)ーTianrang(中)
FineArt(中)ーAQ(日)

【決勝】
FineArt(中)ーDeepZenGo(日)

本棋戦二日目も大きなトラブルに見舞われた。
日本のきのあ囲碁と韓国のDollBaram戦で終局直前にDollBaram側にトラブル発生。
大会規定により、きのあ囲碁の勝ちとなったが、抗議するなど納得できない様子だった。
ただ、ルールに合わせて機械を調整するのも技術なので、仕方のない処置だろう。
さて、対局を振り返っていきます。


【実戦譜:両カカリの攻防】
黒番がDeepZenGo、白番がFineArtです。
黒1に白2とカカリ返す実戦例が人間界でも増えてきています。
要因の一つは、黒3の両カカリが思ったほど厳しくないことがわかったからです。
将来的に、黒3ではAなど手堅くシマる実戦例が増えるかもしれません。


白4、6は両カカリの常套手段。
黒7、9と地を稼ぎながら根拠を奪うのが主流だが、白10やAで悪くない展開になりやすい。
一見すると、黒11と追及するのが厳しいように見えますが・・・。


白12と下辺を占めつつ、左下の黒にプレッシャーをかけるのが好手。
黒13には白14と黒を重くしてから白16と守れば、両カカリした戦果が少なく黒不満です。
後に黒A、白B、黒Cとコウで追及する狙いはありますが、先の遠い話でしょう。


黒17の打ち込みに白18から22と封鎖するのが面白い。
白Aの切りを見られているため、黒は強く反発しにくいところです。


黒23と反発するものの、白24から30と下辺の黒二子を取られては白良し。
下辺の黒は厚くなりましたが、右下の黒が弱い立場となったマイナス面が大きいです。


黒31と大場に走って打開を試みるも、白32と迫られて依然として黒苦しい展開です。
黒33から39と大模様を築いた瞬間、白40から44と左辺に居直るのが機敏。
左上の厚みがぼけたので、右下を連打した戦果が大きく白優勢です。
結果、白中押し勝ち


【参考図1:最近の手法】
黒1、3に白4とかわす手法も打たれ始めました。
これはAlphaGoZeroの自己対戦譜にあった戦術の一つで有力視されています。


黒5と隅を地にされるのは大きいですが、白6から8と手番を得て大場に回れば白十分。
左下は黒に連打された場なので、ある程度の損失は許容できます。


【参考図2:大局的な石運び】
白1に黒2と反発するのも考えられます。
ただし、白3から5と露骨に決めて簡明に白悪くないようです。


黒6には白7と上から利かした後、白9の切りを入れます。
黒10から14と受ける相場ですが、白15と右下の黒にプレッシャーをかけて白優勢です。
続いて、黒Aと引っ張り出すのは白B、黒C、白Dで逃げられません。

「編集後記」
今回はFineArtが他の囲碁AIを寄せ付けない強さを示した結果となりました。
AlphaGoZeroの論文を参考にしつつも、人間の棋譜学習は続けていると述べていました。
限られたリソースの中で効率良く強くする上で、人間の棋譜は未だ必要不可欠なようです。

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