第19回農心辛ラーメン杯世界囲碁最強戦第8戦

11月27日に韓国・釜山で「第19回農心辛ラーメン杯世界囲碁最強戦」の第8戦が行われた。
日本の一力遼八段と中国の党毅飛九段の対局は、党九段の力技が炸裂し2連勝を果たした。
第2ラウンド最終戦は韓国の4番手である金明訓五段が出場する。
さて、対局を振り返っていきます。


【実戦譜1:嵐の前の静けさ】
黒番が党毅飛九段、白番が一力遼八段です。
黒1に白2から6と右辺を補強したのが神経の行き届いた打ち方でした。
白8のサバキ次第では右辺の白が攻められる可能性があり、その備えが必要になるからです。


黒9から13と外周を厚くする展開を選択します。
右辺の白は△によって耐久力が上がっているので、白14と右下隅を食い破るところ。


黒15から19と外周を厚くして一段落。
右下の厚みを背景に、黒は右辺の白にどれくらい寄り付けるかが勝負所となりました。


【参考図1:風景が一転】
単に白1、3とサバキに回るのは工夫不足。
実戦のように黒4から12と厚くされた後、黒14と迫られて△が相当攻められる格好です。
各所で黒地がつく可能性が高く、この進行はハッキリ黒良しです。



【実戦譜2:戦端が開かれる】
黒1のツケが渾身の勝負手。
外回りの黒は堅い構えなので、白のサバキ方が悩ましいところです。


白2に黒3と切り違えるのは当然の態度。
真正面から戦うのは分が悪いため、AやBを横目に白4、6とサバキを図ります。


黒7に白8、10と整形するのが手厚い石運び。
無難な進行では白の実利が活きるので、黒11から13と大きく飲み込む展開を選択。
白は右上の黒陣さえ消せれば、白勝勢となる局面でしたが・・・。


白16から20と黒の薄みを強調しながら右上の黒陣を消したいところ。
黒21まで、AやBの味を横目に白Cと逃げ出せば白悪くなかったようです。
この辺りから白の足取りが少しずつ乱れていきます。


白22、24とコウを仕掛けたのがまずかったようです。
白はハッキリしたコウ材がなく、僅か数手で白は窮地に立たされてしまいました。


白26の傍コウしかないのが白ツライところ。
白28に黒29と抜かれて、左辺と右上と右辺の白が薄くなり黒優勢がはっきりしました。
中盤戦で白優勢となる局面もあったので、勿体無い一局となりました。
結果、黒中押し勝ち。


【参考図2:白厚い碁形】
黒1に白2と中央を守って白十分な形勢でした。
右辺の白は白A、黒B、白Cと生きを図る手など残っているため、見た目以上に強い石です。
また、白Dを狙えるので中央の白も弱い石ではなく、白厚い碁形を築けていました。
各所で稼いだ白の実利が活きる展開で、白勝ちは揺るぎなかったはずです。

「編集後記」
一力八段が勝勢直前まで打ち進めるも、最後の一歩を踏み外し瓦解してしまいました。
碁はどんなに心を砕いて打っても、一手のミスで水の泡になるのが怖いところですね。

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