第19回農心辛ラーメン杯世界囲碁最強戦第7戦

11月26日に韓国・釜山で「第19回農心辛ラーメン杯世界囲碁最強戦」の第7戦が行われた。
中国の党毅飛九段が韓国の申旻埈六段に逆転勝利を収め、申六段の開幕6連勝を止めた。
最終ラウンドのことを考慮すると、日本も本ラウンドで最低1勝は上げておきたい。
明日の第8戦に出場する日本の一力遼八段の奮戦に期待したいところだ。
さて、対局を振り返っていきます。


【実戦譜1:特異な序盤戦】
黒番は申旻埈六段、白番が党毅飛九段です。
白1のカカリに黒2、4と打つのは黒良くないと言われている打ち方です。
下辺の白陣は手堅い布陣なので、固めても構わないと判断しているかもしれません。
また、黒A、白B、黒Cと左下を固める選択も考えられるので、そこまで黒悪くなさそうです。


黒8のツケは囲碁AIの手法の一つ。
白9を見てから黒10と右下隅に食い込むのが黒の狙いです。
続いて、白Aと隅に受けるのは黒B、白C、黒Dで黒有利な戦いになるので・・・。


白11、13と手厚く打ち進めます。
右下の黒地は大きいですが、▲が悪手となっているのでいい加減なワカレです。
黒16と囲ったのは、周囲の白が厚い格好なので広げてもまとまらないと判断したからです。
黒は見慣れない打ち回しを見せるも、全局的なバランスを絶妙に保っています。


【参考図1:ツケの意図】
黒1に白2と受けるのは、黒3から5と切られて右辺の黒陣が広がります。
▲と△の交換が黒良しに働くため、白はこの進行を選べません。



【実戦譜2:力勝負の中盤戦】
白1に黒2と上辺の白にプレッシャーをかけていきます。
白Aと連絡するのは、上辺の利きを横目に黒Bと左辺に黒陣を築かれて白良くないです。
白3は利かそうとした瞬間、黒4と反発して戦端が開かれました。


白7に黒Aと受けるのは白Bで攻めの利かない格好となるため、黒8と切るのは当然の態度。
周囲の黒は強い格好なので、白もサバキ方が難しいところです。


白9、11と食い込まれますが、黒12と包囲すれば部分的に眼のない格好です。
白はAやBの利きを横目に、右上の白をどうサバくかが勝負所となりました。


白13、15と右上隅の黒に働きかけていきます。
白21まで一本道の変化で大きなコウが争いが発生します。
ただし、天下コウなので黒はどこも利かず、白はフリカワリか隅の生きを図るかの二択です。


実戦は白23から29と右上隅の生きを選択します。
黒30まで、上辺の△を飲み込みながら厚い形を得られたので黒有利なワカレとなりました。
白は右上隅で生きを図るよりも、フリカワリを選択する方が良かったかもしれません。


【参考図2:フリカワリ】
黒1に白2、4と左下の黒陣を破るのも有力でした。
黒5から11と生きを図るなら、白12と様子見するのが面白いです。


右上の白を捨て石に、白14から18と地を稼ぎながら上辺の黒を裂けます。
将来的に右上の白は攻め取りになる可能性もあり、若干白打ちやすい碁形に見えます。



【実戦譜3:急転落下】
白1に黒Aの好点に回れば黒勝ちだったが、黒2と左辺の生きを確かめたのが緩着でした。
白3が出入り15目以上変わるところで、黒が大きく失速しています。


白5から9と先手で地を稼いだ後、白13の好点に先着して僅かに白良しの形勢。
どんなに努力しても、一手のミスで水の泡になるのが碁の恐ろしさです。
結果、白中押し勝ち。

「編集後記」
韓国の連勝が止まり、どの国が主導権を握れるかが本棋戦の勝負所となりました。
最終ラウンドで優勝戦線に残るためにも、残り2戦ものにしたいところです。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする