第19回農心辛ラーメン杯世界囲碁最強戦第5戦

11月24日に韓国・釜山で「第19回農心辛ラーメン杯世界囲碁最強戦」の第5戦が行われた。
第5戦は韓国の申旻埈六段が中国の陳耀燁九段に勝利し、怒涛の五連勝を成し遂げた。
次局は日本の山下敬吾九段が出場するので、韓国の勢いを止めてほしいところだ。
現時点での戦況を以下にまとめたので参照ください。

【日本】井山裕太九段、山下敬吾九段、一力遼八段、余正麒七段、許家元七段
【中国】柯潔九段、党毅飛九段、陳耀燁九段、周睿羊九段、范廷鈺九段
【韓国】朴廷桓九段、金志錫九段、申眞諝八段、申旻埈六段(5連勝中)、金明訓五段

本棋戦の第2ラウンドは11月24~28日の5日間行われる。
持時間は1時間+秒読み1分1回、先番6目半コミ出しである。
勝ち抜き戦方式なので、最後まで逆転の可能性があるのが本棋戦の魅力だ。
さて、対局を振り返っていきます。


【実戦譜:手厚い構想】
黒番が陳耀燁九段、白番が申旻埈六段です。
黒1に白2と反発したのは、ミニ中国流などに構えさせない意図があります。
有名な戦術ほど研究が進んでいるので、研究を外すという意味では有力な選択でしょう。
ただし、黒7を許すことが多いため力戦になりやすく、高い戦闘力を要求される打ち方です。


白8、10と整形するのは常套手段。
黒13は自身を補強しながら右下の厚みを牽制する好点に見えるが・・・。


白14、16と左下の形を整形されると、左辺と下辺の黒が薄い格好になります。
黒17と右下に手を戻せるが、白18で下辺の力関係が白有利に働くので黒不満な展開です。


下辺の白の幅が狭いため、黒19を利かして自身を補強したいところ。
しかし、白22から24の反発が好手で、AとBを見合いとなり黒苦しい戦いを強いられます。


黒25、27と左辺の補強を選択します。
白28の押しに黒29、31が形で下辺の黒は取られない石ですが・・・。


白32から40と先手で下辺を封鎖した後、白42の大場に走って白優勢。
下辺の厚みは薄く見えますが、白34の抜きが利いているので見た目以上に厚いです。
白に中央の主導権も握られており、黒は序盤早々大きく出遅れた格好になりました。
結果、白4目半勝ち。


【参考図1:現代的な打ち方】
黒1、3は地を稼ぎながら自身を補強する手で、最近よく打たれる手法の一つ。
黒5はAの傷を強調する手だが、白6と迫られて黒ツライ戦いを強いられます。


【参考図2:厚すぎるワカレ】
黒1と守るのは本手だが、白2と左辺の黒を攻められてしまいます。
黒3から9と先手で補強してから黒11と上辺を占めるのも有力に見えますが、
全局的に白厚い碁形なので、この程度の実利では逃げ切ることは難しいでしょう。

「編集後記」
18歳の若手棋士が一騎当千の勢いで勝ち星を積み重ねています。
そろそろ止めたいところですが、本棋戦は連勝すると中々止まらないジンクスがあります。
前回大会では范廷鈺九段の7連勝の記録もあり、どこまで連勝が伸びるか予想できません。

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